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Broadcom、802.11nとBluetooth、FM送受信機能をまとめた無線通信LSIを開発
ブロードコム ジャパンのカントリーマネージャーである小林昭二氏
米国の無線通信用半導体大手ベンダであるBroadcomの日本法人ブロードコム ジャパンは12月11日に東京で報道関係者向けの新製品発表会を開催し、無線LAN規格「IEEE802.11n」(802.11n)と無線LAN規格「Wi-Fi」、短距離無線通信規格「Bluetooth」およびFM送受信に対応した無線通信LSI「BCM4329」を開発し、特定の顧客向けにサンプル出荷を開始したと発表した。2009年には量産を始める。携帯電話機や携帯型音楽プレーヤなどのモバイル機器向けである。
発表会では始めにブロードコム ジャパンのカントリーマネージャーを務める小林昭二氏がBroadcomワールドワイドの概況を説明した。Broadcomは「Enterprise Networking」「Mobile Platforms」「Broadband Communications」「Wireless Connectivity」の4つの事業グループで構成される。また日本を含むアジア地域はBroadcomの売上高の65%を占めており、アジア地域では10カ所の拠点を構えていると述べていた。
アジア地域におけるBroadcomの拠点
Broadcomの売上高推移。2008年は第1四半期~第3四半期だけで2007年に近い水準の売り上げを達成している。2008年通年では45億ドル前後の売上高となるもよう
米国本社のバイス・プレジデント兼ワイヤレス・コネティビティ・グループ WLANビジネスユニット本部長を務めるマイケル・ハルストン(Michael Hurlston)氏
続いて米国本社のバイス・プレジデント兼ワイヤレス・コネティビティ・グループ WLANビジネスユニット本部長を務めるマイケル・ハルストン(Michael Hurlsto)氏が、無線LAN用半導体市場の動向と新製品の概要を解説した。
無線LAN用半導体市場では現在、IEEE802.11g(802.11g)規格の技術仕様に準拠した無線通信LSIが主流になっている。今後は、802.11nに準拠した無線通信LSIの市場が立ち上がり、無線LAN用半導体で主役を占めるようになるとする。また2012年の無線LAN用半導体の市場規模は60億ドルで、2008年のおよそ3倍強に伸びるとした。
続いて、携帯電話機や携帯型音楽プレーヤなどのモバイル機器(ハンドヘルド機器)が無線LANを搭載することによって、3つの事象が起きていると説明した。1つ目は、モバイル機器とPC、デジタルテレビの間でコンテンツを共有するようになること、2つ目は、屋内で無線LANを利用して現在位置を把握することによるサービスが発展すること、最後は、携帯電話システムの膨大な回線トラフィックの一部を無線LANが担うようになること、である。
無線LAN用半導体の市場規模推移
モバイル機器(ハンドヘルド機器)とPC、デジタルテレビがコンテンツを共有
無線LANを利用して屋内の現在位置を検出し、適切なサービスを提供する
携帯電話回線の音声トラフィックとデータ・トラフィックの一部を無線LANが担う
こういった状況の中、Broadcomは複数の無線通信機能を1チップにまとめた「コンボチップ(Combo Chips)」と呼ぶLSIの開発に力を入れている。例えばWi-FiチップとBluetoothチップで構成した無線回路の場合、部品点数はおよそ200点になる。
これに対してWi-FiとBluetoothを1チップに集積したコンボチップでは、部品点数はわずか5分の1、すなわち40点に減少するとコンボチップの利点を説明した。このほか消費電力が減る、プリント基板の占有面積が小さくなる、Wi-Fi電波とBluetooth電波の干渉を未然に防げる、といった利点が生じる。
現在同社でコンボチップの主流となっているのは、BluetoothとFM受信機能、Wi-Fi(IEEE802.11a/b/g)を集積した無線通信LSI「BCM4325」である。携帯電話機や携帯型音楽プレーヤなどに数多く搭載されているという。
そして今回、BluetoothとFM送受信機能、802.11nを集積した”BCM4329″を開発した。既存製品であるBCM4325との違いは、802.11nに準拠した通信機能とFM送信機能を搭載したこと、802.11通信とBluetoothが共存したときの性能を高めたこと、通信速度を約2倍に高めたこと、802.11nのオプションである時空間ブロック符号化(STBC:Space Time Block Coding)機能を内蔵したこと、などである。
”BCM4329″はMAC層と物理層、ベースバンド、パワーアンプ、RF送受信回路を内蔵しており、外付け部品はアンテナやアンテナスイッチ、水晶発振器、受動部品などにとどまる。電源電圧は2.3~5.5V、802.11nを連続して動作させたときの消費電力は190mW。
複数の無線通信機能をワンチップにまとめた「コンボチップ(Combo Chips)」
コンボチップの代表品種「BCM4325」の概要
新製品「BCM4329」の概要。BluetoothとFM送受信機能、802.11nを集積した
「BCM4329」の内部ブロック
「BCM4325」と「BCM4329」の性能の違いを概念的に表現したグラフ
「BCM4325」と「BCM4329」の性能の違い。「BCM4329」は「BCM4325」の約2倍のスループットが出ている