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Spansion、65nmプロセスで大容量NOR型フラッシュメモリを量産
NOR型フラッシュメモリの大手ベンダSpansionの日本法人Spansion Japanは12日、65nmプロセスで製造する大容量NOR型フラッシュメモリ製品展開を公表した。
米SpansionのCSID(Consumer, Set Top Box & Industrial Division)担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントを務めるトム・イビー(Tom Eby)氏
Spansionは、独自開発のチャージトラップ方式によるフラッシュメモリを開発、量産している。チャージトラップ方式とは酸化窒化膜の界面準位に電荷を捕獲させることでデータを記憶させる技術のこと。同社はこの技術を「MirrorBit」と呼んでいる。1個のメモリセルに2ビットを記憶させる2ビット/セルのMirrorBit技術も実用化済みである。
NOR型フラッシュメモリでは、2ビット/セルのMirrorBit技術を利用した最大容量が1Gビットの製品を90nmプロセスで量産中である。そしてこのほど、半導体製造技術を65nmプロセスに微細化した1Gビット製品の量産を始めた。生産ラインのウェハ口径を従来の200mmから65nmプロセスでは300mmに大型化しており、製造プロセスの微細化と併せてフラッシュメモリのコストを90nm品に比べて大きく削減できるとする。ただし、製造コストをどの程度に下げられるかは、具体的には明らかにしていない。
なお65nmプロセス品では自己テスト回路(BIST:Built-In-Self-Test Circuit)をフラッシュメモリに内蔵させた。自己テスト回路の搭載によって90nmプロセス品に比べ、テスト費用(テスト時間)を低減している。
Spansionの概要と主な拠点。本社は米国カリフォルニア州サニーベール。2007年の売上高は約25億ドルである
NOR型フラッシュメモリ市場におけるシェアの推移。NOR型フラッシュメモリの大手ベンダNumonyxをかわし、Spansionが首位になっている
Spansionの組み込み用NOR型フラッシュメモリ「MirrorBit GLファミリ」の開発実績と今後の計画
65nmプロセスによるNOR型フラッシュメモリの特徴。90nmプロセス品とピン互換である
組み込み用NOR型フラッシュメモリの応用分野。日本では特にアミューズメント(パチンコ機器)市場が重要だとした
65nmプロセスではさらに、高速の読み出しと書き込みを可能にしたフラッシュメモリ「MirrorBit Eclipseファミリ」を2009年に出荷すると表明した。
MirrorBit Eclipseファミリは読み出しの動作周波数が133MHz、書き込みのデータ転送速度が2Mバイト/秒といずれも高い。またデータの読み出しと書き込みを同時に実行できる。最大容量は2Gビットと2倍に拡大される。なお出荷時期が2009年のどの四半期になるのかは、明言を避けた。
65nmプロセスによるフラッシュメモリ製品の概要