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「価値観激変の時代に備えよ」 書き下ろし舞台「時代に流されろ!」を再演するマンボウやしろ
2011年に解散した人気お笑いコンビ「カリカ」での活動を経て、ピン芸人となったマンボウやしろ。カリカ時代のシュールな感覚はそのままに、ラジオ、コント、演劇と活躍の場を広げている。昨年やしろ自らが書き下ろし、演出も担当した舞台「時代に流されろ!」が、27日から都内の本多劇場で再演される。舞台は、科学技術の発達が加速した未来社会で、急激な変化に巻き込まれる人々や、逆行しようとあらがう人々の悲喜こもごもを描く。演出家、劇作家としても注目されるやしろに話を聞いた。
-再演に際して何か変えたところはありますか。
お客さんは初演とはかなり違う印象を受けると思います。プロの役者さんにテーマやメッセージをより明確に伝えてもらうためにお笑いの要素を減らしました。笑いに時間を費やすよりも、登場人物のバックボーンなどに費やした方がいいと考えました。
-舞台のテーマに変化はありましたか。
それはありませんが、ここ10年、20年の間に価値観が大きく変わる時代が来るということを描いています。もっと先に起こるはずだったことが予想以上に早く起きる可能性がある。それに備えるための心の準備が必要だということを伝えられたらと思っています。
-若い役者さんを迎えてどんな雰囲気ですか。
一緒に飲みに行ったりするうちに、チャラいと思っていた人が昔かたぎだったり、芯が強そうだと思った人が逆に柔らかい感じだったりしたので、最初に書いた役の中に役者本人の性格を反映させました。そうすることで役に深みが生まれました。
-小演劇の聖地、本多劇場での上演ですね。
13~14年前にコントで本多劇場の舞台に立った時に、すごい滑り方をしたんです。ようやくリベンジする機会を頂きました。
-コントとお芝居を書くときは脳を使い分けているのですか。
そうですね。コントはお笑いをベースに考えますけど、お芝居は俯瞰で考えたり、登場人物の気持ちになって考えたり、アプローチは全然違います。
-役者さんを演出するのは大変ですか。
ええ。何かを要求したとき、それに対する表現力はやはりすごいです。例えば芸人は泣けと言ったら悲しくないのに泣きますが、役者は気持ちから作るので、それ相応の伝え方が必要です。心理から説明して役者に委ねるわけです。そんなふうにして役者と一緒に芝居を作るのは楽しいです。
-今後やってみたいことは?
過去に書いた話や今考えていることをアウトプットしようと思っています。…