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うるさ型ロボアニメ・ファン必見! 「僕たちの見たいメカアニメをつくろう」最終選考作品は”こう楽しめ”!!

 

  アトム、鉄人28号に始まり、マジンガーZ、ゲッターロボ、コン・バトラーVに、ガンダム、エヴァンゲリオン、R・田中一郎(ここ、ツッコミ待ちですよ~)……。日本のアニメ文化は常にロボットとともにあった!
 
  そんなロボット(メカ)アニメ史に新たな1ページを刻むべく、スマホ小説サイト「E★エブリスタ」を運営する株式会社エブリスタが、応募作品アニメ化コンテスト「僕たちの見たいメカアニメをつくろう製作委員会」を立ち上げたのはほぼ1年前のこと。
 
  このコンテスト「僕たちの見たいメカアニメをつくろう」(通称:メカつく)は、視聴者が見たいメカアニメを視聴者自身でつくろうという企画であり、「メカアニメとはロマンである。」をコンセプトに、「企画書」から「キャラクターデザイン」「メカニックデザイン」「シナリオ」まで、すべてを公募。
 
  その中からユーザー投票で選ばれた作品は、製作委員会が制作資金やコネクションなどの全面的なバックアップのもと、実際に2分程度の短編アニメを制作。完成した動画はニコニコ動画やYouTubeなどの動画配信サイトでWeb配信していた。
 
  そしてWEB配信決選投票が行われ、選出された作品は製作委員会の審査を経て、フジテレビにてテレビアニメとして放送されるという、ドリームプロジェクトだ!
 
  その最終選考作品が、ついに3月1日に公開される。今回の最終選考作品の中で、動画の再生回数が一番多い作品がテレビ放送されるとのことで、アニメにはやたら厳しい批評眼を持つアニメソムリエの審美眼が試されることになる。
 
  日々「今期のアニメはつまらない!」「今のロボットアニメには燃えが足りない!」「オッサン出せ! 女子供は戦争に出てくるな!」「むしろ人型ロボットなんてリアルじゃない! 非人間型ロボット出せ!」だなんだと、メカアニメの現状を憂う俺たちの出番だ! ということで、老害ロートルロボットアニメ好きの筆者が一足お先に最終エントリー5作品をレビュー! 俺の、いや”俺たちの見たいメカアニメ”はどれだ!
 
 ■ハードSF好きにはたまらん!
 『RS計画』
 
  ロール氏によるハードSFロボットアニメ企画。パイロットの脳にダメージを与えてしまうために、パイロットは戦うたびに記憶を失ってしまう人型戦闘マシン「機巧」に乗って、人類を襲う異星人との戦いを描くロボット作品。
 
  ロボットアクションのみならず、自分を取り巻く環境がガラッとひっくり返る大ドンデン返しが後半待ち受けている。…戦うことで何かを喪失する、というコンセプトは『ぼくらの』、また、自分を取り巻く世界が真実を知ることで反転してしまう展開は『ゼーガペイン』をほうふつとさせる。つまり、ハードSF好きにはたまらない作品ってことだ! 全部言わせんな! メカのデザインは、どことなく永野護テイスト?
 
 ■アツい! 玩具が欲しい! スポーツ系ロボットアニメ
 『エンスージアスト』
 
  綿製タオル氏によるロボットレースアクション企画。ぶっちゃけて言うと『バスカッシュ!』に出てくるロボット・ビッグフットでやる『IGPX』みたいな作品。
 
  80~90年代ってまだこういうスポーツ系ロボットアニメもけっこうあったんだけど、ここ最近はことごとくコケちゃってるんだよね。実際に見てみると、どれもわりと面白いんだけど……。ただやはりオタク向けというよりは、アツい! かっこいい! 玩具が欲しい! みたいな中高生向けアニメのノリになってしまう感覚は拭えないのが、いわゆるアニメオタクに受けてない理由のような。そこに現在のロボットアニメの衰退の原因があるのでは……とも思ったり。「こういう作品も作れる」という懐の深さが日本のアニメの多様性の象徴だと思うと、個人的には応援してあげたい気持ちでいっぱいだ。ロボットは、未知の生物と戦ったり戦争をするだけの存在じゃないのだ!
 
 ■”メカと子供の日常もの”でメカ萌え!!
 『STAR STORKS』
 
  イグナック氏によるSF企画。絶滅した人類の再生を願う3体のロボットが、ようやく誕生したたった一人の子供と共に、宇宙のどこかにいる、ほかの人類に出会わせるためにあてのない旅に出る、というロマンあふれるSF作品。
 
  公式サイトで公開されている企画資料によると、イグナック氏は「メカが主役。人間は要らない?!」と、萌えアニメにおける美少女の位置にメカを配置。”メカ萌え”を惜しげもなくさらした、非常に男らしい内容となっている。
 
 ”メカと子供の日常もの”というと『鉄コミュニケイション』という傑作があるが、本作もまたその系譜を受け継いだ作品。企画書のあらすじを見ると、終盤は涙なしでは見られない予感……。メカの滅びの美学までしっかり盛り込んだ本作は、ぜひ長編でしっかり見てみたい。
 
 ■90年代ロボットアニメ直系にビビッ!
 『暁光のディーンドライブ』
 
  立枯氏によるロボットアクションもの企画。古代遺跡から発掘された巨大な人型機動兵器「ディーンドライブ」に搭乗する女子中学生の物語。…閉じた世界、その向こうからくる謎の敵性生物。遺跡から発掘される謎のロボット。家庭不和の問題を抱えた思春期の主人公。という『新世紀エヴァンゲリオン』の正統フォロワーと言える作品。メカデザインは『Z.O.E.』や『マブラヴ』を思わせるスタイリッシュにしてマッシブなテイスト。90年代ロボットアニメ直系の本作は、今の20~30代ロボットアニメファンのハートを直撃するかも?
 
 ■1クールに及ぶ大作の予感!
 『deadEndSparks』
 
  menbow氏によるハイブリッドなスーパーロボット企画。過去と現在の2つのストーリーラインが交錯することで、怪獣と戦うロボットアニメにサスペンス的な要素が深く加わる挑戦的な内容となっている。
 
  ストーリーが進むことで謎に満ちた世界の秘密が明かされていく、という展開は『THEビッグオー』的。メカは細マッチョな『パシフィック・リム』的なデザイン。企画書には、1クールアニメを想定した詳細なシリーズ構成案も掲載されており、企画者の熱い情熱がひしひしと伝わってくる。果たしてこの魅力を2分のショートムービーに、どこまで詰め込めるかがポイントだろう。
 
 ※※※※※※※※※
 
  というわけで、以上、最終選考に残った5作品をざっくりとレビューしてみた。
 
  筆者個人としての本音を言うと、ロボットが全体的にスマートでスタイリッシュすぎるので、もっとボテッとした玩具映えするようなロボットも見たいなあとか、等身大サイズのロボットものとか、レスキューものとかもあったらなあ、と思ったりもしたのだが、これは次回のコンテストに参加しろ、ということだろう。
 
  まずは企画が今後も続くように、3月1日からあなたの”一押しアニメ”を観まくろう! 僕らの清き一票が、僕らの見たいメカアニメの実現につながると信じて!!
 (文/有田俊[シティ・コネクション])
 
 ■「僕たちの見たいメカアニメをつくろう」
  ショートアニメの動画再生数で、フジテレビでの地上波放送アニメ化が決まる!
 ↓2015年3月1日(日)~3月31日(火)まで、最終選考実施中!↓
 http://mechatsuku.estar.jp/
 
 【特別番組『僕たちはメカアニメジェネレーション ~鬼才誕生直前SP~』】
 放送日:3月13日(金)25時50分より
 放送局:フジテレビ ※関東ローカル
 特別ゲスト:富野由悠季監督、西川貴教、狩野英孝、カンニング竹山、菊地亜美、鈴木ふみ奈、宮河マヤ、吉木りさ、吉田尚記アナなど

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