山下達郎が芸術選奨文科大臣賞を受賞 高い歌唱力と際立つ個性

　

　シンガー・ソングライターの山下達郎（６２）が１２日、芸術の各分野で優れた業績を挙げた個人に贈る２０１４年度芸術選奨の文部科学大臣賞に選出されたことが、文化庁から発表された。他に落語家の春風亭小朝（６０）ら１７人も選出。新人賞は人気漫画「ＮＡＲＵＴＯ－ナルト－」で知られる漫画家の岸本斉史氏（４０）ら１１人が選ばれ、１８日に東京都内で贈呈式を行う。

　代表曲「クリスマス・イブ」で知られる山下は昨年行った全国ツアー「Ｍａｎｉａｃ　Ｔｏｕｒ　～Ｐｅｒｆｏｒｍａｎｃｅ　２０１４～」で高い歌唱力を披露し、際立つ個性と存在感を示したことが評価された。ポップス史研究者としての活躍も期待されている。

　受賞に対し山下は「商業音楽は演者一人では成立しません。今回の褒賞も、多くのスタッフのサポートと、リスナーの皆さまのご支援の賜物です。ありがとうございました」とコメントした。

　小朝は独演会に加え、テレビドラマへの出演や、東西落語の交流を目的とした落語会を運営してきた功績が認められた。

　大臣賞には、市井の人情を切れ味よく描いた短編集を出した作家の出久根達郎氏（７０）、「ちゅらさん」など数々のテレビドラマや映画を手がけた脚本家岡田恵和氏（５６）も選ばれた。

　新人賞の岸本氏は、少年漫画に民間伝承や歴史を組み込んで奥行きを与え、戦いに悩み対話を求める登場人物を描いた作品が、国内外で高い人気を得たことが評価された。カナダ・モントリオール世界映画祭で「そこのみにて光輝く」が最優秀監督賞を受賞した映画監督の呉美保氏（３７）らも新人賞に選ばれた。