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朝ドラファンなら大泉洋と能年玲奈との共演作をチェックすべし「まれ」3話レビュー
希の子役・松本来夢(らむ)ちゃんの細くて長い手足が健やかで見ていて気持ちよいですね。
朝ドラ「まれ」(NHK 月~土朝8時~)の第3話は、希に「お父さん嫌い」と言われてしまったお父さん・徹(大泉洋)がすっかりしょんぼりしてしまい、とうとう「お父さん生まれ変わる」と宣言。「もしかしたらこの能登で一からやりなおせるかも」というかすかな希望が津村家に芽生えます。
彼らは自己破産して能登に流れてきたわけですが、お父さん、いったい何をしてきたのでしょう? でっかい夢を求めて、ラーメン屋さんやレコード屋さんをやって、そのたびに失敗している過去が語られました。
本当は希もお菓子を作る人になる夢があったのに、お父さんの仕事が安定しないため諦めてしまったのです。魔女姫人形は、希の夢の最後のかけらのようなものなのですね。
娘は夢やぶれて傷ついているのに、徹は宝くじが当たることを期待していたり、典型的な困った人です。でも、大泉洋の愛嬌で憎めません。
大泉洋、ダメなひとを演じるのが得意技のようで、昨年公開された映画「青天の霹靂」(監督・劇団ひとり)の主人公も冴えない人生をおくる売れないマジシャンでした。
この役に徹を少々重ねることもできますが、今回の徹役を見ていて思い出したのは「グッモーエビアン!」(12年、山本透監督)です。大泉は、シングルマザーとその娘ハツキと家族のように暮らすパンクロッカー・ヤグを演じました。ヤグは長らく放浪の旅に出ていたり、血が繋がってない少女を娘のように大事にしたり、枠に囚われない自由人で、愛だけはいっぱいもっています。徹はこのヤグの系譜にある役のように感じます。
朝ドラファンには「グッモーエビアン!」は抑えておきたい作品です。なぜって、大泉とハツキの親友・トモちゃんを演じた能年玲奈(公開当時まだ「あまちゃん」ははじまってなかった)とのブーメランに関する会話がとっても面白いのです。能年玲奈の魅力がここで既に発揮されております。
朝ドラファンで、この映画を未見の人はぜひチェックしてみてくださいね。
(木俣冬)