仕事で役立つ人気ビジネスアプリおすすめ!
[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
技術職員 10市で欠員…東京・多摩地区
- 土木技術で欠員の出た東大和市は、早くも4月から採用試験を始める(東大和市職員課の窓口で)
-
東日本大震災の復興事業や、2020年の東京五輪・パラリンピックの開催決定で技術系人材の需要が高まり、多摩地区の自治体が土木や建築など技術職員の採用に苦戦している。
読売新聞の取材では、多摩地区の26市中10市で技術職の欠員が出ていることが判明。各市の人事担当者は「優秀な人材が都や民間に流れ、欠員分の業務をカバーする職員の負担も増えている」と頭を悩ませている。
受験辞退相次ぐ
立川市では2013年7月の採用試験で、土木技術の職員を1人も採用できなかった。試験が進むにつれて辞退者が増え、最終的に合格レベルに達する学生がいなかったという。辞退の理由は「都の内定が出た」、「国で大きな仕事がしたい」というものだったという。
危機感を高めた同市は昨年、都の採用試験日程に合わせる形で職員を募集したが、かえって受験者が予想を下回り、「市への就職を希望している学生の少なさが浮き彫りになってしまった」(人事担当者)。
同市はその後、一般事務と土木技術の若手職員が仕事の魅力を語るPR動画を制作。動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開するなどしてアピールを強めたが、今年度も土木技術で2人、電気技術で1人が欠員に。人事担当者は「一般事務を目指す学生にはある程度の宣伝効果があったが、技術職には浸透しなかったかもしれない」と振り返る。
多摩ニュータウン開発時に大量採用した技術職が定年退職する時期を迎える多摩市は、即戦力確保のため、13年度から土木施工管理技士1級などの有資格者には筆記試験を免除する制度を始めた。
初年度こそ目新しさもあって多くの受験者が集まったが、2年目の昨年度は「PR効果が薄れたのか思ったほど集まらなかった」と人事担当者は肩を落とす。
職員の負担増加も
町田市でも今年度、土木技術で9人の欠員が出ている。市職員課によると、ここ2、3年は技術職の受験者が減っており「欠員が出た部署では職員の業務量が増えている状況」という。建設部や都市づくり部の各課では、技術職の業務から一般事務職でもできる業務を除くなど、少しでも技術職の負担を軽減しようとの“やり繰り”をしているという。
このため同市は今年3月、神奈川大学(横浜市)で行われた就職説明会に技術職の若手職員も派遣し、学生を前に担当している業務について語ってもらった。今後も工学系の学部をターゲットにした説明会などを検討しており、「少しでも受験者を増やして採用につなげたい」としている。
こうした状況について、中央大の佐々木信夫教授(行政学)は「高度経済成長期に民間企業の給与が上がり、自治体が新人職員を確保できなくなったのに近い現象」と分析。「自治体がバラバラに募集をかけることで学生に情報が行き届いていない可能性もある。欠員で困っている自治体が合同で試験日を設定し、地方にも募集をかけるなど広く人材を募る観点が必要では」と指摘する。(中居広起)
PR