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(4)「脱・詰め込み」で学力向上
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「アクティブ・ラーニング」は、子どもたちの学ぶ姿勢を変え、学力向上にもつながると注目されている。
東京都立両国高校では、全教員の3分の1にあたる20人が、それぞれ方法を工夫しながら実践中だ。
2月中旬にあった2年生の生物の授業。山藤旅聞(さんとうりょぶん)教諭(35)が「食べた後すぐに走ったらおなかが痛くなってきた。このときの神経の働きはどうなってる?」と問いかけた。
近くの席の生徒同士で話し合わせ、結論が出た頃に指名。「副交感神経でゆっくり消化している時に、急に走ることで交感神経が優位になり、消化がうまくいかなくなった」という回答に、「大体いいけど、腹痛の理由は説明できていない」と指摘。「副交感神経が混乱し、胃液の酸が自分の胃を攻撃する」と解説した。
この間、2~3分。すぐに次の質問に移り、生徒たちはまた、話し合いながら答えを考えた。授業中、こうしたやり取りが続く。白石健太さん(17)は「眠くなっている暇がなく、普通の授業よりも内容が覚えやすい」。
山藤教諭は、同校に赴任した2008年度、「ノートを真面目に書いているのに、成績が伸びない子がいる。どうすればいいのか」と悩んだ。その頃、06年創設の同校付属中で、英語の山本崇雄教諭(44)による授業を参観。生徒が頻繁に席替えをしながら、隣の人と英語で活発に議論していた。生き生きとした姿に衝撃を受けた。
「指示されたことをするだけでなく、自分から学ぶように仕向ければもっと成績も伸びるのではないか」。試行錯誤を重ね、生徒が生物の現象や仕組みに関心を持ち、自ら考え、説明する力をつけられるようにと、今のやり方にたどり着いた。
教員たちは2年前から校内の勉強会「学びの広場」を毎月開き、意見交換をしている。昨春、高校に異動になった山本教諭も、授業の改善を続けている。2月中旬の1年生の授業では、1列ずつ並んだ男女のどちらかが問題ごとに席を替わり、違うペアで英会話に取り組んだ。「フォークダンスの要領。クラスメートの考えがわかり、学び続ける集団になる」と山本教諭。
同校は12年度、現役生の国公立大合格率が資料の残る04年度以降で初めて30%を超え、都立高トップになった。13年度は29・8%だった。
大学受験に詳しいベネッセコーポレーションの藤井雅徳・グローバル事業推進ユニット長は「進学実績を求められる高校では、従来の詰め込み授業の方が効率良く成績を上げるとされてきたが、大学入試改革で将来はコミュニケーション力や主体性が求められるようになる。アクティブ・ラーニングで培われた力はさらに評価されるはずだ」と語った。
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