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ブラジルの若き至宝アデミウソンがJリーグに送り込まれた理由とは
ブラジルの世代別代表に選ばれ、U-21では背番号10をつける「ロマーリオの再来」アデミウソンがJリーグの舞台にデビューした。
しなやかなボールタッチと素早い反転、短い振り幅からのシュートを期待したが、今回はコンディション不足の為か、ゲームでの存在は残念ながら空気のようであった。
ブラジルのサッカーと違う、早い詰めで寄せてくる日本のサッカーにとまどいを感じたようだ、しかし本来アデミウソンは、プレイテンポの早いゲームの方が向いているのではないだろうか。おそらく次戦以降対応してくるだろう。
それにしても、アデミウソンはJリーグに迎えられた外国人選手の中では、特別なケースといえるだろう。
欧州や南米の選手を中心とした場合のJリーグのチーム作りを見ていると、ふたつの手法が一般的のようだ。
ひとつは、ジーコ、リネカー、ストイッコビッチなど世界の舞台で活躍した選手、最近ではセレッソのフォルランなど、ビッグネームを核にチームを構成する手法。いまひとつは、世界の舞台での活躍はまだ無く、現役代表でもないけれど、南米や欧州の主要リーグで確固たるボジションを獲得している選手や、世代別代表には選ばれてはないが、高いレベルのリーグで揉まれた有望な若手をチームの核に起用する手法だ。
アデミウソンがJリーグに迎えられた理由についても、さまざまな憶測が飛び交っている。
たとえば、マリノスとパートナーシップ協定を結んでいるマンチェスター・シティーの他、ビッククラブへの流失阻止という思惑もそのひとつ。一説によると、レアルマドリーが関心を示していたという話もある。
現在、サンパウロFCのフォワード層が厚いというのも理由のひとつに挙げられている。
元代表ルイス・ファビアーノ、同じく元代表アレシャンドレ・パト、2009年FIFA U-20 ワールドカップで4ゴールを挙げブラジルを準優勝に導いたカルデックなど、蒼々たるメンバーが活躍する中で、サンパウロFCのムリシィ・ラマーリョ監督にとってアデミウソンは構想外となっていた、というのがその説の根拠だ。
真偽のほどは定かではないが、いずれにせよ、さまざまな好(?)条件が揃い、アデミウソンのJリーグ入りが実現したということはできるだろう。
とはいえ、ブラジル各世代の代表に選ばれ、しかも背番号10番をつける選手。これからのブラジル代表を支える選手になる可能性を秘めた21歳だ。…