＜ホッケー＞内紛再燃 解任された旧執行部が現理事解任要求

　

　日本ホッケー協会の内紛が再燃している。昨年６月の総会で吉田大士前会長らが解任された旧執行部側が、現執行部の理事解任などを求める議案を提出したためだ。１４日に大阪市内で開かれる臨時総会で審議されるが、双方が譲る気配はない。
　
　　内紛の発端は旧執行部が主導した男子日本代表の選考方法など。不満を抱いた立命館大や山梨学院大、高体連関係者などのグループが反発して昨年の総会で旧執行部を解任。新たな執行部をスタートさせ、片山さつき参院議員を新会長に推薦して体制固めを図った。
　
　　しかし、旧執行部側は「昨年の解任劇は違法で、相手の言い分は事実無根」（元理事）と主張。現執行部に対し、複数の民事訴訟を起こしたことを嫌悪した片山氏が会長就任を固辞した。その後、名誉総裁の高円宮妃久子さまらが仲介した和解交渉も決裂した。
　
　　総会に向け、旧執行部側は現執行部の解任案とともに、吉田前会長に佐藤正久参院議員らを加えた理事選任案も提出。総会で採決する地方協会の代表などの正会員の支持獲得のため、５０００万円のスポンサーを獲得する▽高体連加盟校に２万円ずつ配布する−−などを掲げている。
　
　　これに対して、現執行部は旧執行部時代の２００９〜１１年度にコーチ報酬で不適切な寄付による国庫補助金の過剰受給があり、文部科学省から返還を求められたことを問題視。旧執行部に計約１２５０万円の支払いを求める方針を決めた。中村康夫専務理事は「旧執行部が過去にやってきた過ちは全国の関係者が分かっている」と説明。損害賠償請求も辞さない構えだ。【岸本悠】