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将棋「NHK杯」準決勝で珍事 橋本八段「二歩」で反則負け

将棋「NHK杯」準決勝で珍事 橋本八段「二歩」で反則負け

 「弘法にも筆の誤り」、あるいは「河童の川流れ」…。そのとき、視聴者の頭の中にはどんな言葉がよぎっただろう。

 8日にNHKのEテレで放送された「第64回NHK杯テレビ将棋トーナメント準決勝第2局」で珍事が発生した。橋本崇載(たかのり)八段(32)が、行方(なめかた)尚史八段(41)との対局で、同じ縦の列に自分の「歩」を2つ置く「二歩」を指し、反則負けとなったのだ。

 事件が起きたのは、勝負どころにさしかかった中盤。持ち時間を使い果たし、記録係が「1、2…」と経過秒数を数え始めたときだった。考えをめぐらせるときのクセなのか、左手で口を押さえ、将棋盤をじっと見つめる橋本八段。8秒が経過すると同時に、行方八段の「金」の前に「6三歩」と打った。だが、その前方には「6七歩」が…。ごく初歩的な反則だ。

 一瞬の後、両者同時に気づき「あっ!」と声をあげて、頭を抱えてしまった。珍しい展開と記録係が淡々と行方八段の勝利を伝えるシュールな様子が、ネット上で反響を呼んでいる。

 NHKによれば、二歩は2000年以降で2度あるが、いずれも1回戦のことで、準決勝では例がないという。橋本八段は、今回の件について事前にツイッターで「(放送では)トンデモない事が起きる!?」とおどけた様子で予告。自分自身でも笑うしかなかったか。

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