首位浮上の茂木宏美、女体の神秘でショット力アップ

　

　

　出産を経験したことでショットがパワーアップした茂木宏美　アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI(2015)(2日目)　写真・佐々木啓

アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI（3月27日～29日、宮崎県・UMKCC、6494ヤード、パー72）
　
　　第2ラウンドは、前日より倍以上の風速5メートルの風が吹き、スコアが伸び悩む中、首位と2打差の5位タイで出た茂木宏美が、3バーディ、2ボギーの71と一つ伸ばして、通算4アンダーで首位に並んだ。
　
　「久しぶりの位置だったので、過去の引き出しをいっぱい出しながら、考えながらやっていました。風も吹いてきたし、とにかく崩れないようにやりました」
　
　　茂木は、2013年のワールドレディスサロンパスカップで公式戦初優勝を挙げたあと妊娠が分かり、10月の日本オープンから産休に入って14年2月に出産。14年6月のアース・モンダミンカップで復帰を果たした。さすがにゴルフの感覚はなかなか戻らず、14年シーズンは14戦してトップ10入り1回で、予選落ちは7回という結果に終わった。
　
　「体力は早く戻ってきたのですが、最近感覚も戻ってきて、ようやくトーナメントを戦える状態になってきました」
　
　　以前のような戦う体に戻ったが、出産をしたことでプラスもあった。
　
　「股関節や肩周りの関節が柔らかくなったんです。もともとすごく硬くて課題の部分だったのですが、何をやってもダメでした。それが妊娠、出産をしたことで、人並みの柔らかさになってきました。トレーナーさんと『女体の神秘だね』といっていました。おかげでバックスイング、フォロースルーと股間節が入りやすくなり、ショットがパワーアップしました」
　
　　妊娠中もトレーニングを行っていた茂木は、日に日に股関節が柔らかくなり、産後も柔らかさを維持した。股関節が柔らかければ、体が伸び上がらずに効率よくボールに力を伝えられる。妊娠、出産を経験してショットの状態は以前よりもよくなったという。
　
　「家族3人で優勝の写真を撮りたいので、いつも一緒に行動しています。それが家族の夢です。明日は全部の引き出しを使って頑張りたいです」
　
　　若い選手に比べて飛距離に劣る茂木だが、コースの難度の高い公式戦を攻略できるマネジメントと技術を持っている。出産の恩恵を受けたショットとすべての経験を生かして夢を叶える。
　
　文・小高拓
　
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