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駐韓米国大使襲撃事件 識者の見方 容疑者は日本大使にも“前科”
韓国・ソウルで米政府高官を狙った襲撃事件が発生した。マーク・リッパート駐韓米国大使(42)が5日午前(日本時間同)、同市内での会合に出席した際に男に刃物で切りつけられ、顔から流血するなど負傷した。身柄を確保された男は「反日」や「反米」を主張する政治団体の代表。過去にも日本大使を襲ったことがある男に凶行を許した韓国当局の警備責任が問われるのは必至だ。米政府は、暴力行為を強く非難する声明を発表、米韓関係に一層の緊張感が高まる事態になってきた。
警察当局によると、襲撃した男は、政治団体代表のキム・ギジョン容疑者(54)。取り押さえられた際、「米帝(米国帝国主義)」「戦争訓練反対」などと叫んでいたという。今月2日に始まった米韓合同軍事演習への反発が動機の可能性がある。「俺がテロをやった」などともわめき散らしたという。凶器は刃渡り約25センチの果物ナイフだった。
キム容疑者は、2010年7月に当時の重家俊範・駐韓日本大使がソウル市内で講演している最中にコンクリート片を投げたとして逮捕され、執行猶予付き判決を受けたこともある。1980年代後半から島根県・竹島(韓国名・独島)の領有権を主張する活動も行っていた。
キム容疑者は襲撃前から会場内で出席者から「様子が変だ」と不審がられていたという。日本大使を襲ったことがある男が同様の襲撃を繰り返したことで、韓国当局の警備の責任が問われるのは必至だ。
リッパート大使はオバマ米大統領の外交政策顧問を務めるなど側近中の側近で、昨年10月に韓国に赴任した。
国際政治ジャーナリストの藤井厳喜氏は「最近、韓国内では反日イコール反米というムードが広がっている。米国が日韓関係にケンカ両成敗のようなスタンスなのも気に入らない。その背景にあるのは“チャイナ・ファクター”だ。朴槿恵(パク・クネ)大統領の北京傾斜が大きくなればなるほど、米韓軍事演習も韓国にとって悪いことだという議論が盛り上がっている」と分析した。
このところ韓国国内では米国への不満が高まっていた。米国務省のシャーマン国務次官は2月27日、講演で日中韓の関係が「円滑ではない」と指摘。特定の国を名指しせずに、「ナショナリスト的な感情が依然、利用されている」とし、政治指導者が「かつての敵」を中傷して国民の歓心を買うことがないように求めた。これに対して韓国では、慰安婦問題の解決などを強く求める朴大統領に暗に自制を求めたものと受け止められ、「日本寄りの発言だ」と反発が広がった。
米国務省のハーフ副報道官は3月2日、「特定の国や指導者に向けられたものではなく(反発に)少々驚いている」と困惑。韓国側も外務省報道官が3日の会見で、歴史問題で米国とは「立場を共有している」と沈静化を図るような発言をしている。
韓国情勢に詳しいジャーナリストの室谷克実氏は「他国の大使を襲撃するなど、先進国では考えられない。大使館へのデモといったレベルとは格段に違う。昔なら戦争に発展してもおかしくない。最近、親北派が『演習反対』『親米路線反対』というビラをまいていた。親北派の暴挙なら、米国の怒りは少しは収まるだろうが、シャーマン米国務次官の講演に反発した行為なら、米韓関係は最悪になる。朴大統領の訪米が今年後半にも予定されているが、微妙になるだろう。ともかく、ただではすまない」と語っている。