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Jリーグ、韓国リーグより下位?恵まれすぎた環境でひ弱に?タフさで中韓に劣る
1月21日、かつて日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)のジュビロ磐田などで活躍したカレン・ロバートが韓国2部リーグ(Kリーグチャレンジ)・ソウルイーランドFCに移籍し、ちょっとした話題となった。古くからのサッカーファンであれば、カレンのことを知っている人もいるだろうが、ソウルイーランドFCのことを知っている人は少ないだろう。また、国内リーグの世界ランキングではJリーグがKリーグより劣っていることも、あまり知られていない。
国際サッカー歴史統計連盟(IFFHS)が発表している最新のリーグランキングによれば、Jリーグは30位で、24位のKリーグより格下なのである。実際に、アジアのクラブチームによる大陸選手権であるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の成績で見ると、ACLの前身であるアジアクラブ選手権の成績を含め、Kリーグのクラブは優勝10回に準優勝6回と、実績面では間違いなくアジアナンバー1だ。ちなみにJリーグのチームは、優勝5回と準優勝3回である。
●JリーグとKリーグの比較
では、JリーグはKリーグに比べ、どこがどれほど劣っているのだろうか? 今回は2つの面から比較していきたい。
まずは、選手を取り巻く環境面から見ていきたい。韓国にプロリーグが発足したのは1983年、日本は93年で、Kリーグに一日の長があるため、環境面でもKリーグが充実しているかと思いきや、意外とそうでもないのである。その証拠に、多くの韓国人選手が日本でのプレーを希望し、来日している。昨シーズンのJ1に在籍した外国人選手83人中23人が韓国人であることからわかるように、多くのKリーガーが、生まれ育った国ではなく日本でプレーしているのである。もっとも、Jリーグには各チーム3枠の外国人枠とは別に、アジア選手枠が1枠あるため、韓国人選手が多くなりやすい環境といえるが、それでも多くのKリーガーが日本に来ることを望んでいるのは確かなようだ。
過去にJリーグでプレー経験のある韓国人選手は、こう述べる。
「日本に来て感じたのは、サッカー選手としての扱いが韓国とまるで違うことです。練習環境も整っているし、サポーターも多くて盛大に応援してくれる。日本に来て、やっぱりサッカー選手は花形職業だと実感しました」 日本では、整備された天然芝のグラウンドはもちろん、ホペイロと呼ばれる専門の用具係がおり、その日の練習用具の準備、各選手のスパイクの手入れ、ユニフォームの管理など、選手がプレーに集中できるように雑務を専門とするスタッフがいるほど環境が整っている。これは、Kリーグとの比較に限らず、もはや世界トップクラスと比べても遜色のないレベルにまで達しているのである。
そして、選手のモチベーションにもかかわる観客数。どんな選手であっても、大歓声の中でプレーできることは幸せに感じるもので、重要な環境面での要因となる。その観客数について、Kリーグは少し寂しい数字が出ている。昨年のKリーグ昇格プレーオフで、慶南FC対光州FCの観客数は1969人で、定員1万5000人のスタジアムの7分の1以下しか埋まらなかったという。プレーオフは、「勝てば1部、負ければ2部」という、まさにその後の1年間の舞台を決める試合であるため、日本をはじめ世界のリーグではサポーターが血眼になって贔屓クラブを応援する。ちなみに、昨年のJリーグプレーオフ決勝を見てみると、対戦カードはジェフユナイテッド千葉対モンテディオ山形で、観客数は3万5504人だった。
環境面ではJリーグが圧勝といって差し支えないだろう。
●技術が高くても勝てないのは、メンタルの差?
では、肝心のプレーの面ではどうだろうか?
「日本人は技術があるので、きれいなサッカーを好みます。韓国人は、近年の代表でこそパスサッカーになりつつありますが、Kリーグではフィジカルに頼るロングボールを多用するスタイルが多いです」(同)
日本人のストロングポイントは、卓越した技術なのである。しかし、サッカーは技術がすべてではない。ACLという真剣勝負のぶつかり合いで、日本は韓国や中国のパワープレーに屈しているのが実情である。確かに、Jリーグのクラブは試合を支配しているようでも、なりふり構わないパワープレーには非常に弱いのである。これは日本サッカー全体にいえることだが、きれいな形を追求しすぎるあまり、勝負が疎かになりがちなことも密に関係している。
あるKリーグの監督も、こう述べる。
「我々韓国人は、一つひとつの試合に対して『絶対に負けたくない』という強い気持ちを持って臨みます。だから、多少技術が劣っていても、食らい付いていきますし、どんな状況でもあきらめることはありません。日本人は、そこに関しては少し淡泊かなと感じます」 また、普段Jリーグの恵まれた環境で過ごしているため、劣悪なピッチや、試合までのスケジュールの急な変更などがあると対応できず、雰囲気にのまれて普段の実力を出せないのも、一つの要因である。その点、Kリーグの選手は恵まれていない環境ゆえに、精神的にも肉体的にも非常にタフであり、技術が少しくらい劣っていても好成績を残している。そして結果的にJリーグより格上の評価につながっているのである。この先、JリーグがKリーグを上回っていくためには、彼らのタフさを見習わなくてはならないだろう。
ACLに出場した経験を持つ監督は、次のように指摘する。
「Jリーグのクラブは、ACLにそれほど重きを置いていないと感じます。あくまでリーグ戦がメインで、そこに照準を合わせるように調整をしているみたいです」
日本人の多くは、自分たちがアジアナンバー1だと勘違いしているのかもしれない。1月に開催されたAFCアジアカップ2015ではベスト8という結果に終わったが、代表チームの成績はアジアでは抜きんでている。とはいえ、そこにリーグのレベルが追い付いていないのが現実である。
まずは、Kリーグにランキングで劣っている事実を受け入れ、その上でACLを勝ち抜けるクラブを作らなくては、日本が本当の意味でアジアナンバー1になる日は来ないであろう。
(取材・文=加藤次郎/サッカージャーナリスト)