仕事で役立つ人気ビジネスアプリおすすめ!
[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
音の重なりで涼感を呼ぶ
さまざまな節電・暑さ対策が出されている中、日本の伝統にも目が向けられている。そのひとつが、風鈴。その種類はいろいろだが、今年は岩手県の南部風鈴を飾ってみてはどうだろう。被災地を想いつつ、その響きに涼を感じる。小さいながら、東北の力にもなれるはずだ。
約900年の歴史を誇る鋳物風鈴のほか、鉄瓶などで知られる南部鉄器には、盛岡と水沢のふたつの流れがある。古いのは水沢鋳物(いもの)。『南部鉄器』(堀江皓著 理工学社)によれば、後三年の役で勝者となった藤原清衡(きよひら)が、近江国(滋賀県)から鋳物の職人である鋳物師(いもじ)を招いたのが始まりだという。平安時代末、今から900年前のことだ。
さまざまな南部風鈴。なお、JR水沢駅では、昭和38年以来、毎年6月から8月の間、南部風鈴がホームを飾る。これは「日本の音風景100選」にも選ばれている(写真はすべて「いわて銀河プラザ」で撮影)
その後も、京都など各地から鋳物師が移り住み、技術は発展していき、江戸時代には伊達仙台藩の保護を受けるようになった。昭和に入って、アルミニウム製品の普及、台風による大洪水などの大きな打撃をうけたものの再建を果たし、さらに、同じものを多産できる「生型(なまがた)」という製法を導入することで、鉄瓶以外に鍋、花瓶、風鈴などの工芸品を生産するようになった。
水沢鋳物工業協同組合(岩手県奥州市)によれば、今回の震災では、工場内の機械が壊れるなどして、地震直後は生産停止になった工場もあった。鋳型が破損して、一時は納品が遅れる状況にも陥った工場もあったという。
だが、南部鉄器の工場は、それを乗り越えて進み続けている。毎年恒例の南部鉄器まつり(今年は秋の開催予定)が、奥州市鋳物技術交流センターで開催される予定だ。
南部鉄器を代表する鉄瓶。海外でも人気が高い
風鈴は、厄除けだった!?ところで、風鈴はどこで生まれたのだろうか? その起源は、中国ともインドともいわれる。『風鈴(NHK美の壺)』(NHK出版)によれば、もとは「占風鐸(せんふうたく)」という占い道具のようなものだったらしい。これが仏教と一緒に日本に伝わったが、寺院の屋根の四隅にかけるもので、厄除けとなっていた
それがどのように現在の形になったか、実はよくわからないという。だが、風鈴という名を使ったのが、浄土宗の開祖である法然上人であることは記録に残っている。かつては「ふうれい」と呼ばれていた。平安・鎌倉時代には、やはり厄除けの道具として扱われていたようだ。
また、南部風鈴を使って調べたところ、周波数の異なるふたつの音が検出されたという。単調な音ではなく、音が重なり合い、「ゆらぎ」があるため、耳に心地好く、涼しさを感じるのである。
シンプルなものから、ユニークなデザインのものまで、南部風鈴といっても多種多彩。夏を涼しく過ごす音とともに、お好みの形を探してみては?
目玉焼き用の鉄器。フライパンや炊飯用鍋などもある
そのほか文鎮などの小物もバラエティー豊か