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「カジノ」と「ギャンブル依存症」における日本の認識がなぜ間違っているのか?

 「カジノ」と「ギャンブル依存症」における日本の認識がなぜ間違っているのか?

 観光立国の目玉として期待される統合型リゾート「IR(Integrated Resort)」。海外から観光客やビジネス客を誘致し、大がかりなコンベンションなども執り行える日本にとって新しい産業である。
 
  その中核にあるのがカジノだ。
 
  コンベンション会場の維持やイベントなどの開催など、IRにおける大がかりな活動はカジノの売上によってはじめて可能となるものであり、IRにとってカジノはまさに心臓とも呼ぶべきものである。
 
  ところが肝心のカジノ合法化がなかなか進まない。根強い反対があるからだ。現在もカジノ法案は成立の見込みすら立たず、2020年の東京五輪開催にはすでに時間的に間に合わない可能性が高まりつつある。
 
  反対派の最大の主張は「カジノによってギャンブル依存症が増加する」というものだが、それは本当だろうか?
 
 ■厚生労働省発表「ギャンブル依存症536万人」の一人歩き
 
  カジノの合法化作業が進められる中、厚生労働省からショッキングな数字が発表された。日本におけるギャンブル依存症と疑われる人が推定536万人いるという情報だ。
 
  仮にこの数字が事実だとすれば人口の約5%に達し、諸外国の平均1~2%と比べ、突出していることになる。
 
  そのインパクトもあってか、この数字はメディアでもたびたび取り上げられた。その多くはカジノ解禁の話題の中で取り扱われたため、結果として「カジノ」と「ギャンブル依存症536万人」という数字がセットで一人歩きしてしまうことを招いた。
 
  反対者の主張には、必ずといってよいほどこの数字が用いられるため、事情を知らない人が「カジノ=ギャンブル依存症の原因」という先入観を持つ役割を果たしてしまうこととなった。
 
  しかし、日本にはまだカジノはなく、ギャンブル依存症とされる536万人は、当然のことながらカジノによるものではない。
 
 ■ギャンブル依存症の原因の9割はパチンコ・パチスロ
 
  その原因の大半はパチンコ(パチスロ)だ。
 
  国立病院機構久里浜医療センターで「病的ギャンブリング外来」の責任者を務める河本泰信精神科医長は、2014年11月11日付「夕刊フジ」の取材に対し、「諸外国の1~2%に比べ、日本は多い。町中にパチンコ屋があふれ、気軽にギャンブルをできることが背景にあります」と語っている。
 
  実際に同センターではギャンブル依存症の原因の9割がパチンコやパチスロであることが判明している。
 
  たとえば今、目の前で火事になっている家があるとしたら、やるべきは「消火」である。…

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