「怖い」という理由で裁判員の辞退は可能？裁判員を辞退できる4つの理由！

　

　裁判員裁判制度がスタートして早6年が経とうとしている。これまでに裁判員裁判では23件の死刑判決が言い渡された。6年経っても、我々自身が判決を言い渡すという感覚には慣れない。反対に、不安やためらいが募る一方でもある。こうした不安な思いから、裁判員を辞退することはできるのだろうか。「教えて！goo」には同じような疑問を持った方から質問が寄せられている。その一つを紹介しよう。
　
　「怖がりで凶悪事件の証拠写真が見られない、という理由で辞退は可能か？」
　
　■辞退できる？　できない？
　
　この質問に対して、回答者からは辞退について、以下の意見が述べられている。
　
　「ほぼ、当たる方が確率が低い（中略）…ほぼ当たらないと思った方がいいと思うよ。当選したときは、諦めてね」（Dxakさん）
　
　このような諦めの意見がみえる一方で、どのようにすれば辞退できるのかを示す回答もあった。
　
　「裁判員制度は裁判員選定作業の最後に本人確認を行うはずです。その時点で拒否すれば宜しいかと」（adobe_sanさん）
　
　「精神的に耐えられないとかであれば、心療内科や精神科の診断書を提示する条件で拒否できます」（neKo_deuxさん）
　
　果たして、診断書などを提示することで実際に裁判員を辞退できるのだろうか。裁判員参加はある種国民の義務であり、義務をはねのけるには相当の理由が必要かと思われる。
　
　■辞退に必要な相当な理由とは？
　
　「相当な理由」と言っても、その基準は曖昧である。そこで、具体的にはどのような理由で辞退が可能なのかを、れいわ総合法律事務所の川瀬裕之弁護士に伺った。
　
　「裁判員制度は、参加する裁判員の負担が重くならないように、『やむを得ない理由』がある場合には、辞退が認められます。
　
　（1）（自分の）病気や怪我、妊娠などの理由がある場合
　（2）家族が病気、怪我、妊娠、介護などで、自分が付添をしなければならない場合
　（3）冠婚葬祭に出席しなければならない場合
　（4）仕事で、自分がいないと損害が生じてしまうような場合」
　
　では、そのような理由がない場合で、どうしても辞退したい場合には辞退が認められないのだろうか。
　
　「例えば制度自体に反対である、制度自体には賛成だが自分が人を裁くことはできない、等の考えや事情がある場合、裁判所から送られてくる質問票に、そのような理由を詳しく書くことによって、辞退が認められる場合もあると考えられます（「良心的裁判員拒否」と言います。…