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スカイマーク前社長 西久保愼一 -万策尽きたスカイマーク、復活への道
スカイマーク前社長 西久保愼一(にしくぼ・しんいち)
1955年生まれ。神戸大卒。78年大同塗料入社。93年マスターネット(後にゼロに社名変更、スカイマークと合併)社長を経て、2004年スカイマーク社長。15年1月28日社長辞任。
国内航空3位、スカイマークが1月28日に経営破綻。同日社長を辞任した西久保愼一氏による無謀な投資の失敗が原因だ。格安運賃を売りにしていた同社は近年、格安航空会社(LCC)の台頭で立ち位置を奪われつつあった。焦った西久保氏は国際線展開をぶち上げエアバスの超大型機A380の導入を4年前に決めたが、購入金額は6機で1915億円。売上の2倍を超える巨額投資は円安に伴う燃料費増加などで業績が悪化し裏目に出た。エアバスからは支払いの見通しが立たないとして契約解除を通知、約7億ドルの違約金を求められて経営が行き詰まった。
1月29日開催の記者会見に西久保氏は姿を見せず。しかし集まった報道陣に驚きはなかった。彼のマスコミ嫌いは有名だからだ。2010年に飛行中の操縦室内での写真撮影など度重なる問題で国土交通省から勧告書を手渡された西久保氏が、航空局長室を出た後、取材しようと待っていた記者から逃げるため、7階から階段を駆け下りて走り去ったことも。
西久保氏はネット業界から航空業界に転じ、債務超過に陥っていたスカイマークの増資を03年に個人で引き受け筆頭株主になった。機内サービスの簡素化など経営効率化に努める一方、客室乗務員にミニスカートを着用させるなど物議を醸す施策も多かった。2月2~4日には保有していた1898万株を売却し、約5億円を確保。オーナーの立場からも撤退したカリスマなき後、残された同社は再建できるか。エアバスとの交渉など厳しい道のりが続きそうだ。
入江 近=文 AP/AFLO=写真