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天理参考館 台湾にも現存しない先住民の貴重資料残す

 天理参考館 台湾にも現存しない先住民の貴重資料残す

 (台北 28日 中央社)奈良県天理市にある天理参考館では、戦前から集められた台湾原住民(先住民)に関する多くの貴重資料を保存している。中にはすでに台湾でも見られない文物もあり、近年では台湾の大学や研究機関などからの協力要請や視察などが相次いでいる。
 
 同館の歴史は長く、設立は1930(昭和5)年。所蔵されている台湾関連の資料は約2000点にのぼる。同館の研究者が集めたもの以外に寄贈されたものもあり、出所はおろか用途すら分からない文物も多いと話すのは、同館の早坂文吉研究員。物言わぬ資料を相手に原住民の真実を明らかにする作業は簡単ではない。だが、それだけ貴重な資料が残されている証でもあり、根気のいる研究が続けられている。
 
 昨年には平地に住む先住民の平埔族の一つであるシラヤ族に関する特別展を開催。国立台湾歴史博物館(台南市)との協力で詳細が明らかになった資料を展示したところ、台湾側から大きな反響があった。原住民の中にも「よく残してくれた」と感謝の言葉を口にする人もいたという。
 
 今後はさらに多くの研究機関との交流を通じて、資料の解析作業を進める計画だ。原住民以外の台湾の風俗や風習に関わる文物も残されており、東京の天理ギャラリーでは寺廟などで使われるお供え物や冥銭(紙銭)やその図柄を印刷する木版などを展示する特別展が4月4日まで開催されている。
 
 (齊藤啓介)

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