奇妙なタイトルが個性を表す個展 水戸芸術館にて山口晃展が開催

　

　特徴的な建物を生かした展示茨城県水戸市にある水戸芸術館では、2015年5月17日まで『山口晃展　前に下がる　下を仰ぐ』が開催されている。今回の個展は、水戸芸術館のさまざまなプロポーションのギャラリーが縦に連なるという特性を生かしたものとなっている。順路に沿って歩いていくと、一部屋ごとに作品世界が展開していくように展示が構成されるようになっている。
　
　一風変わったタイトルがまず作家の人生観、芸術観を表した醍醐味あふれたものとなっているのにくわえ、作家の思考過程を覗きつつ閲覧ができるようにもなっている。
　
　作家のプロフィールと作風山口晃は1969年生まれの画家である。東京藝術大学へ入学し、1994年同大学美術学部絵画科油画専攻を卒業、1996年同大学大学院美術研究科絵画専攻（油画）修士課程を修了している。
　
　そのタッチは大和絵や浮世絵のようなタッチであり、非常に緻密に人物や建築物を描き込む画風で知られている。
　
　作品は単なるお笑いや底の浅い思いつきで終わることなく、美術や歴史に対する批判精神にあふれている造詣の深いものとなっている。
　
　なお作品は現在成田空港の出発ロビーなどにパブリックアートとして設置されたり、2012年平等院にある養林庵書院に襖絵が奉納されたりしている。

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