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東洋初、ATSも初 「銀座線車両の技術変遷展」開催
地下鉄博物館で特別展「銀座線車両の技術変遷展」が開催されます。現在の東京メトロ銀座線は東洋で最初の地下鉄であったり、国内で初めてATSを実用したり、日本の鉄道史において大きな意味を持つ路線なのです。
日本鉄道史に大きな意味を持つ銀座線とその車両
東京メトロは、メトロ文化財団と協力し2015年3月10日(火)から4月19日(日)まで、「地下鉄博物館」(東西線葛西駅そば)で特別展「銀座線車両の技術変遷展」を開催することを発表しました。
銀座線とその車両は、日本の鉄道史において大きな意味を持っています。
東京メトロ銀座線は、1927(昭和2)年12月に東京地下鉄道として浅草~上野間が開業したのがその始まり。日本ではもちろん東洋初となる地下鉄で、当時「東洋唯一の地下鉄道」として注目を集めました。
そしてこのとき走り出した1000形という電車は安全が最優先に設計され、当時の日本では珍しい構造、技術が導入されています。ひとつは地下鉄であることから難燃性を重視し、ほぼ全ての部材を鋼鉄で製造した「全鋼製」の車体で登場したことです。その時代はまだ、鉄道車両は木造車体が一般的でした。そして、当時としては珍しい「自動ドア」を採用したことも特筆です。手動ドアは、特に地下鉄では安全性に大きく影響する可能性があります。
銀座線が日本で初めて実用化したATS
そして何よりも先進的だったのが、「打子式ATS」と呼ばれる「自動列車停止装置(ATS)」の採用です。この打子式ATSでは、列車に対し停止現示(一般的な赤信号)が出されているとき、線路脇に設置されたアームが立ち上がります。そこでもし列車が信号を無視して進むと、そのアームが車両側の装置にぶつかって自動的に非常ブレーキが作動する、という仕組みです。
原始的なシステムではありますが、現在の銀座線が昭和2年の開業時に採用したこの打子式ATSが、少なくとも日本で初めての実用的なATS。つまり銀座線は日本で初めてATSを実用化し、列車運行の安全性向上を実現した路線なのです。
浅草~上野間から始まった東京地下鉄道はその後、1934(昭和9)年に新橋駅まで開通し、新橋~渋谷間を開通させていた東京高速鉄道と1939(昭和14)年に直通運転を開始。浅草駅と渋谷駅を結ぶ現在の東京メトロ銀座線の形になります。そして両路線は戦時下の1941(昭和16)年、陸上交通事業調整法に基づき東京メトロの前身、帝都高速度交通営団へ統合されました。…
また東京メトロ銀座線の最新車両で2012(平成24)年4月に登場した1000系も、外観こそ開業当時をしのばせるレトロ調に仕上げられていますが、技術面では従来の車両より省電力のモーター(永久磁石同期電動機)や、騒音や振動を低減させる自己操舵機能付き台車の採用など、先進的な電車になっています。
地下鉄博物館で開催される「銀座線車両の技術変遷展」は、こうした戦前から走る日本唯一の地下鉄「銀座線」の歴史を振り返られる貴重な機会です。