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<選抜高校野球>前主将の打撃グローブで活躍 松山東・米田
第87回センバツ大会第8日の28日、第3試合に登場した松山東(愛媛)の米田圭佑主将(3年)は、前主将から贈られたバッティンググローブでいつも練習している。甲子園まであと一歩届かなかった先輩の思いに応えて初戦を突破し、この日も先制本塁打を放つなど活躍した。
今年2月、部室内の自分のかごに、一対のバッティンググローブがあった。卒業して東京の大学に進む村上貴哉前主将(18)のものだ。数日前、「自分がやりたいようにやれ。迷ったら連絡してこい」と言ってくれた村上さんが託したものだと、すぐに分かった。
あこがれの先輩だった。松山東を目指したのは、小学校時代のチームの先輩だった村上さんがいたからだ。村上さんたちの学年は好選手がそろって地区の1年生大会でも優勝し、甲子園を目指せるチームと言われていた。
期待通りチームは昨夏、63年ぶりに愛媛大会決勝に進み、2年生だった自身も先発出場した。だが結果は1−10。泣き崩れる村上さんから「お前が引っ張っていけ」と託された。
新チームでは主将を任され、夏の勢いのままに秋の県大会でも準優勝した。だが、四国地区大会で初戦敗退すると、練習で単純なミスが続き、緩んだ空気が漂うようになった。
「本当に全員で甲子園を目指せているのか」。引退した村上さんに不安を打ち明けると、「まずは自分がしっかりやれ」と諭された。「主将が一番頑張ればチームは自然とついてくる」
早朝練習には真っ先に顔を出し、自宅での素振りの数を500回から800回に増やした。そのうちナインの間でも「学校と自宅で1日合計1000回の素振り」が合言葉になった。部員の音頭でポジションごとのミーティングも始まった。
甲子園入り後も村上さんのバッティンググローブを使って練習してきた米田選手は、この日の東海大四(北海道)戦でも先制の2点本塁打を放った。だが試合は八回に3点を奪われ、2−3と逆転負け。試合後は硬い表情を崩さなかったが、胸を張って答えた。「この舞台に立てたのは村上さんたちのおかげ。先輩に恥じない試合ができたと思う。夏はもっと強くなって帰ってきたい」【黒川優】