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NY流ウイスキーの愉しみ方。業界の牽引役に聞く
人気のテレビドラマ『Mad Men(マッドメン)』(*1)の影響もあって、ウイスキーが注目されて久しいニューヨーク。話題のデザイナーズホテルやハイエンドなレストランが続々とオープンするなど、今一番変化の激しいNoMad(ノマド)エリアには、同じ通りに専門店が2軒もあり、いつ訪れてもウイスキー好きで賑わっている。
→ フラットアイアン・ルームは、常時1000種類以上のウイスキーを揃える
そのうちの1軒「The Flatiron Room(フラットアイアン・ルーム)」は、スコッチやバーボンはもちろんのこと、日本やインド、スウェーデンなど世界各国のレアなものまで、常時1000種類以上のウイスキーを揃えるレストラン。ここでグラスを傾けながら、恋人や仲間と会話を楽しんだりジャズの生演奏を鑑賞したりするのが、大人の時間の愉しみ方だ。
昨今のトレンドについて、同店のオーナー、トミー・ターディーさんに話を聞いてみた。「ひと昔前までは、材料や生産地などうんちくを語る対象はいつもワインだったけど、ここ数年『ウイスキーについてもっと知りたい、もっと知識を身に付けたい』という人が増えているよ」とトミーさん。
「会社の研修の一環として、ウイスキーを学べるクラスを取り入れたいという企業もあるくらいだ。うちの店でもウイスキースクールをやっている。毎回15~20人前後が集まり、今週は5日も開催したんだ」と、その盛況ぶりを語る。
→ ビールから作られたウイスキー「パイン・バレンズ」。同店ではグラス22ドル
これらの流行に便乗して、アメリカのウイスキー業界も新しい試みに乗り出した。例えば、ニューヨーク州にあるロングアイランド・スピリッツ社のシングルモルト・ウイスキー「Pine Barrens(パイン・バレンズ)」。これは、ビールから作ったウイスキーだ。伝統的なウイスキーの製法と異なり、近所のビール会社「Blue Point(ブルー・ポイント)」で作っている地ビール「Old Howling Bastard(オールド・ハウリング・バスタード)」を蒸留したもの。味は、ドライで喉越しが良い。
トレンドと言えばもう一つ。サントリーの「山崎」が昨年世界一(*2)に認定されたことで、フラットアイアン・ルームでも毎日、山崎が飲みたいというオーダーが入るという。しかし、日本でのウイスキーブームも影響してか、入荷が追いつかない日もある状況なのだとか。…