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犬の嗅覚で「前立腺ガン」を発見。精度は98%と英・伊研究チーム。
九州大などの研究グループが少し前に、“体長1ミリの線虫に人の尿のニオイを嗅がせることで、いくつかのガンの存在をつきとめられる”と発表し、世間をあっと言わせた。優れた嗅覚といえばやはり犬、このたびは犬とガン発見についての興味深い研究結果が報告された。
先進国の男性において罹患率の高いガンと言われる「前立腺ガン」を、犬の優れた嗅覚で発見していこう。そんな研究結果を泌尿器学会の専門誌『Journal Of Urology』に発表したのは、クレア・ゲスト博士監修のもと犬の嗅覚を医学で役立てる研究を続けてきた英「Medical Detection Dogs(本拠地:バッキンガムシャー)」と、イタリアで泌尿器科の研究を続ける「Department of Urology at the Humanitas Clinical and Research Centre(本拠地:ミラノ)」。それらの研究チームが犬とともに実験を行ったところ、前者では正答率が93%であったが後者ではなんと98%の正解率を誇ったというのだ。
イタリアにおける実験は、900人の男性(うち360人が前立腺ガンに罹患)を対象に2頭のジャーマン・シェパードに嗅覚による反応を示させるというもので、正答率は1頭が97.6%、もう1頭が98.7%であった。前立腺ガンから放たれるある種の揮発性有機化合物のニオイに反応するとみられ、専用の訓練を積むことにより、こうした犬が医療現場で活躍する可能性は十分にあるようだ。
前立腺ガンは日本ではほとんどが50歳以降に発症し、60歳以降から一挙に増えて行く。原因としては加齢、動物性脂肪が中心の食生活、家族歴などが挙げられ、健康診断にPSA値(前立腺ガンの腫瘍マーカー)の検査を取り入れる職場も多くなっている。
※ 画像はsbs.com.auのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)