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<チュニジア襲撃>死者は外国人20人含む22人
◇シド首相は記者団に「5人の日本人が殺害された」
【カイロ秋山信一】チュニジアの首都チュニスで起きた国立バルドー博物館襲撃事件で、日本政府は19日、日本人の死者3人、負傷者3人の被害が出たことを確認した。一方、チュニジアのシド首相は18日、テロ事件と断定し、「5人の日本人が殺害された」と記者団に話した。国営メディアによると、18日夜までに死者数は外国人20人を含む22人に上り、さらに増える可能性もある。
日本政府関係者によると、死亡した日本人3人の名前について、ナルサワマチヨさん、ミヤザキハルカさん、ミヤザキチエミさん(いずれも漢字表記は不明)との情報があるという。3人はいずれも女性で、東京都の60代、埼玉県の40代と20代と分かった。
シド首相は、外国人死者の国籍は▽日本5人▽イタリア4人▽コロンビア、スペイン各2人▽フランス、ポーランド、オーストラリア各1人だと説明した。他にも外国人の死者がいる模様だ。
同国の保健省当局者は毎日新聞の電話取材に対して「日本人女性1人の死亡を確認した」と説明。当局者などによると、日本人女性1人が博物館で撃たれて、現地で死亡が確認された。女性の夫は病院に搬送されて、外傷はないがショックが大きい状態だという。また同じ病院に搬送された別の男性の症状は重く、集中治療室に入っている。男性2人はいずれも70歳前後だとの未確認情報がある。
チュニジアからの報道によると、自動小銃で武装し、軍服で変装した男2人が18日午前11時(日本時間18日午後7時)過ぎに博物館に侵入し、逃げようとする観光客らに向けて次々と発砲した。男らは観光客を人質にとり館内に立てこもったが、治安部隊が2人を射殺し、約4時間後に制圧した。治安当局は他にも2、3人の共犯者が現場から逃走したとみて調べている。
犯行声明は確認されていない。男らは隣接する国会議事堂を狙ったが、警備が厳重だったため、博物館に標的を切り替えたとの見方もある。18日は議会で対テロ法案の審議が行われていた。男らはチュニジア人だとの情報もあるが、治安当局は確認していない。
シド首相は18日、事件に関する記者会見で「これはチュニジア経済の弱体化を狙ったテロだ。我々は団結しなければならない」と述べ、政治的テロだと断定、国民に結束を求めた。バルドー博物館は古代ローマ時代のモザイクの展示が有名で、18日にはチュニスに停泊した大型客船の客らが訪れていたという。