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勝負
人と競うのが嫌いです。なぜなら、自分が勝つと負けた人から恨まれるからです。自分が負けたら、自分のやりたいことができなくなるかもしれません。だから、人と競うことを避けて生きてきました。会社を経営している、現在もそうです。
相手と真正面に向き合って戦うほど効率の悪いことはありません。五分五分の時は、どちらも力を失います。だから、五分五分の勝負はしないほうがいいのです。では、必ず勝てるなら勝負したほうがいいのかというと、そうではありません。必ず勝てることが分かっているなら、戦う必要などないのです。ましてや、必ず負ける勝負はしないほうがいい。
企業にとって資本は力の源泉です。でも、注意も必要です。お金で買える設備や人材で勝負すると、自分より金持ちの人には必ず負けます。そして、設備は後から買ったほうが安くて性能が良い。人材は歳を重ねると、費用対効果が低下する可能性が高い。となると、自分で設備を持たず人材も持たず、「させる」だけの仕事が良さそうです。実際、そういった企業が増えているからこそ、企業と人材との信頼関係が低下しているのだろうとも思います。
だから、自分はお金で買えないもので勝負するようにしています。その時、大事になるのは、経験と仲間です。設備には、独自の改良と工夫を加えるようにしています。若者にはできる限り、期待を超えて成長してもらえるように努力を促しています。
「ああしろ」「こうしろ」「そうじゃないだろ!」と、文句は言いません。なぜなら、そのような言葉を発したら期待した範囲内の人材しか育たないからです。
できなかったことができるようになる経験と、その経験豊富な仲間が増えるほど、会社は強くなっていきます。「買うしかない」と思い込んだ人たちが経験と仲間の価値をいつしか下げてしまったのかもしれません。でも、そういう時代だからこそ、自分と仲間の能力の可能性を信じたほうがいいのだと自分に言い聞かせています。
【植松 努】 1994年に植松電機に入社。専務として電磁石を製造する傍ら、北海道大と共同で小型ロケットの開発に当たる。芦別市出身。48歳。