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<選抜高校野球>気比 最高V
◇福井に悲願の大旗
- 初優勝を決めアルプススタンドへ向かって走りだす敦賀気比の選手ら(1日午後、甲子園球場で)=秋月正樹撮影
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県勢で初めて手にした優勝にスタンドが沸きかえった。1日、東海大四(北海道)との決勝を3―1で勝利し、出場32校の頂へ上り詰めた敦賀気比。ともにエースが踏ん張る投手戦となったが、終盤、またも松本哲幣選手が値千金の一発を放った。小雨の中、スタンドの声援が歓喜に変わり、快挙をいつまでもたたえた。
先制された後の一回裏、先頭の篠原涼主将が中前安打で出塁すると、続く中井基継選手の犠打などで二死一、二塁の好機を作り、山本皓大(こうた)選手の右前適時打で同点に追いついた。
その後は四回、無死満塁で無得点に終わるなど、あと一本が出ない展開。八回、平沼翔太選手の四球と山本選手の犠打で一死二塁の好機を作ると、準決勝で2打席連続満塁本塁打の松本選手が左翼ポール際に2点本塁打を放ち、相手を突き放した。松本選手は大会最多タイの1大会個人通算3本塁打を記録した。
エース平沼選手は四回まで毎回四死球を与える苦しい投球だったが、「走者を出しても本塁を踏ませなければ良い」と八回無死二、三塁のピンチでもスクイズを外すなど、要所で冷静な投球が光った。速球にスライダー、チェンジアップなどの変化球を織り交ぜて146球を投げ抜き、今大会全5試合で完投した。
東哲平監督は「苦しい展開だったが、平沼を中心によく踏ん張った。1戦ごとに成長する選手たちが本当に頼もしかった」と話した。
◇信頼応え 雨のち笑顔
- 1回敦賀気比2死1、2塁、山本が同点の適時打を放つ(投手・大沢)(1日)=川崎公太撮影
2度目の甲子園は、実は苦しかった。チームの快進撃の陰で、主軸の5番でありながら、山本皓大選手は準決勝までの4試合すべてで無安打無打点。準々決勝では自らの失策から同点に追いつかれ、試合後、周囲もはばからず号泣した。その夜は眠れなかった。
なぜ、こんな自分を監督は使い続けるんだろう――。
準々決勝はサヨナラ勝ちしたが、強肩を自負する中堅手だけに、さすがにふさぎ込んでいると、同じ外野手の森茂樹選手らが「あれは捕れるやろ~」と笑い飛ばしてくれた。「少しでも気持ちを軽くしてやりたい」との思いからだった。
守備よりはるかに深刻だったのが、自分の打撃。昨夏の甲子園でベスト4に入ったレギュラーで、新チームでも仲間を引っ張る名実とも主軸のはずなのに、今大会直前、プレッシャーから極度の不振に陥った。
それでも、東哲平監督は「これまで中軸として活躍してきた。信頼している」と先発を外さなかった。昨秋の公式戦で4割2分1厘の高打率を残した実績を忘れていなかったからだ。
「打ってこい!」
決勝。先制を許した後の一回二死一、二塁で打席へ。ベンチの声援に「もう強気でいくしかない」と吹っ切れた。真ん中への直球を振り抜くと、打球は一、二塁間を破った。待望の初安打は相手に流れそうな勢いを引き戻す同点打になった。
試合終了と同時に、また涙があふれた。「ようやく少し貢献できた。使い続けてくれた監督に感謝したい」。くしゃくしゃで、最高の笑顔になった。
(平井宏一郎)
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- 1回敦賀気比2死1、2塁、山本が同点の適時打を放つ(投手・大沢)(1日)=川崎公太撮影