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お得だけが価値じゃない、海外旅行のネット予約情報サイト

お得だけが価値じゃない、海外旅行のネット予約情報サイト 

 原油価格の下落が続いている。これならもう航空運賃の燃料サーチャージは気にせずに済みそうだ。そして円高。景気の後退感が強まる反面、海外旅行にはお得と言える状況になりつつある。もっとお得に、賢く旅行にする方法はネットでの予約・情報収集にある。

 フォートラベルの調査における旅行の申し込み窓口についての設問では、約7割が「Web(PC)」を利用したと回答。また、ヤフーバリューインサイトが2007年に行った同様の調査でも、旅行予約・申し込み経路の過半数がWebサイトとなっている。両アンケートがWeb上で行われたものとはいえ、一般的なネットユーザーが情報収集に留まらず、実際の申し込みまでWebを利用していると言えるだろう。また、海外旅行の予約については約2カ月~3カ月前に手配を完了する人が約50%に達しているという。年末年始の海外旅行をするなら、今が予約のピークということになる。

 ハイシーズンとなる年末年始の海外旅行でも”円高”なら前向き?

日本の旅行予約サイト事情

 「エクスペディア」トップ画面

 日本における国内旅行の予約サイトでは、「楽天トラベル」「じゃらんnet」の利用者が圧倒的多数を占める状況が続いている。だが、海外旅行予約に関しては、楽天トラベルの海外チャンネルは約1万8,000件、じゃらんnetの海外版である「エイビーロード」は数社の海外ホテル予約サイトと提携しているという状況。こうした中、2006年に日本語版をオープンした世界最大級の旅行サイト「エクスペディア」では、「エクスペディアは海外旅行に強く、(他社サイト等とは)対象ユーザーが異なる」(同社)と、その特徴をアピールする。エクスペディアで予約できるホテル数は約4万件。現在、エクスペディアの利用者数は上昇を続けているという。

 「Hotels.com」トップ画面

 また、世界24言語、34カ国に展開するホテル予約サイト「Hotels.com」が、今月9日に日本語版サイト「Hotels.com Japan」をオープンした。Hotels.comは米Expediaの子会社だが、「Expediaが四ツ星以上のホテルを中心にプロモーションを行っているのに対し、Hotels.comは三ツ星やより手軽な宿泊施設まで含め約8万件もの情報を扱う」(同社)ことで、差別化を図っている。

 これらのサイトでは利用者にリピーターが多いことが特徴。同社では、繰り返し利用するユーザーは「やりたいことがはっきりしていて、(旅行を)わかっている人が多い」と分析する。先のフォートラベルの調査でも、旅行の内容については「個人手配」が58%に上り、次いで「交通&ホテルがセットのツアー」が31%。「添乗員付きのツアー」は11%と少数派だ。

 宿泊予約は、旅行だけでなく海外出張で利用するビジネスユーザーも多い。特に中小企業では「会社に出入りの旅行会社を通すより、個人で宿泊予約する人が多い」(同)という。ネットならば「明後日から」など急な利用の場合も、価格や利便性を比較しながら効率よく手配が可能だ。実際に利用して便利さを体感することが、リピーター率の高さにつながっている。

価値あるクチコミはgive-and-takeで

 忘れてはいけないのが、海外旅行に欠かせない現地の情報だ。実際にそのホテルで決めていいのか。そのレストランが本当においしいのか。気軽に、そう何回も行くことができない海外旅行だけあって、「失敗したくない!」と考える人は多い。

 「トリップアドバイザー」トップ画面

 日本で最大級といわれるのが、フォートラベルの運営する「旅行のクチコミサイト フォートラベル」だが、今月22日には、米国を中心に展開している旅行のクチコミ情報サイト「トリップアドバイザー」の日本語版も正式オープンした(既報参照)。同サイトは世界中の都市ごとに、ホテル・観光名所・レストランなどについて、ユーザーの投稿による情報が掲載されている情報サイトだ。米国を起点にイギリス、フランス、ドイツなど7カ国でサービスを展開しており、クチコミ情報は2,000万件にも上る。特徴は、旅行会社がカバーしていないニッチな場所の情報も入手できる点。利用者から評価されているという。個人旅行だけでなく、パッケージツアーの評価や、選択肢のホテルをチェックしたり、観光地やレストランの情報収集にも活用できそうだ。

 昨年施行された「観光立国推進基本」により、観光が日本の重要な政策の柱と位置づけられ、今年10月1日に観光庁が発足。訪日外国人旅行者数1,000万人、日本人の海外旅行者数2,000万人を目指し、諸外国に対する発進力強化、国内の観光地づくりの施策に加え、海外者ニーズにあった観光産業の高度化などを掲げている。だが、政府主導の大々的な観光地紹介だけでなく、こういった実際の経験に基づいたユーザー視点のリアルなクチコミこそ、海外旅行者数の増加につながるのではないだろうか。クチコミにより国や地域に興味を持ち、そこへ「行ってみたい!」と思わせるきっかけとなる可能性は高い。今後、活性化するであろう予約サイトや情報サイトをうまく利用し、お得に賢く、失敗をしない旅をしようではないか。

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