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乗って! 撮って! 食べて! 江ノ電で旅気分 (5) エスカーに乗り、新旧の観光スポットを探索しよう
【乗る!】謎のエスカーに迫る
江ノ電で鎌倉駅から数えて10駅めの江ノ島駅をおり、商店街を歩いていくと国道134号線にぶつかる。そこから橋を渡っていくと江の島に到着する。江の島と言えば頂上展望台からの眺めのすばらしさが魅力の観光地で、最近では屋外ライブも行われるなど、人気のスポットだ。
鎌倉駅からちょうど10駅めの駅が江ノ電江の島駅。江の島には江ノ電のほかに、湘南モノレール、小田急などが乗り入れしているが、駅はどれもバラバラなところにある
江の島までの商店街は、筆者が子供の頃とはずいぶん変わってしまったが、いまだに古い旅館などがぽつりと残っている
江の島駅から江の島までは徒歩で約10分。この橋をのんびり渡りながら江の島に向かう
その江の島のなかに日本初の乗り物があるというのだ。その名も「江ノ島エスカー」。なんか近未来的な乗り物を想像させる名前だが、実はこれ、単なる屋外エスカレーターなのである。
これが噂のエスカー。昭和初期のひとのことを思い浮かべながら乗ると風情が感じられる
1959年(昭和34年)に国内初の屋外エスカレーターとして設置され、江の島の頂上まで通常なら石段を20分かけて上るところを、4連のエスカレーターで4分で上ることができるという。当時は高級デパート以外にエスカレーターなど設置されておらず、珍しい乗り物だったのである。2001年(平成13年)に1~2連、2003年(平成15年)に3~4連がリニューアルされている。料金は全区(1~4連)は350円、江の島遊覧セット券(江ノ島エスカー、江の島サムエル・コッキング苑、江の島展望灯台の利用セット)は750円で販売されている。
【撮る!】サムエル・コッキング苑と展望台
エスカーの終点まで行くと、そこには貿易商だったサムエル・コッキング氏が明治15年に建造した大庭園「サムエル・コッキング苑(料金200円)」が待っている。取材時が9月初旬だったこともあり、ちょうど花が少ない時期だったが、春にはバラの花が咲き誇る、きれいな庭園だ。そのなかに江の島展望灯台(料金300円)がある。
サムエル・コッキング苑には様々な植物が植えられている。シーズンが良ければ花を撮影するだけでも楽しい
サムエル・コッキング苑は庭園となっている。この建物は中国の昆明市から寄贈された建物。他にもいろいろな国から贈られたものが苑内にはある
江の島の頂上にある展望灯台。ここから眺める景色はまさに絶品。室内展望台のほかに屋外展望台もあるので行ってみよう
展望フロアの高さは海抜で101.5メートル。目の前に広がる光景はまさにパノラマ映像。天気がよければ富士山はもとより、横浜方面まで見渡すことができる展望台だ。因みに、さきほどのセット券を高いと見るか安いと見るかは意見の分かれるところ。しかし、頂上までの急な階段を20分近く掛けて登ることや展望台からの光景の爽快感を考えれば安い物だと筆者は思う。
江の島周辺を展望台からパノラマ撮影してみた。あいにくの天気だが、いかに見晴らしが良いかがわかると思う
【撮る!】帰りは階段で江の島を楽しみながらおりる
エスカーは上り専用のみなので、帰りは階段を使って下までおりる。途中、江島神社の建物などを巡ることができる。
(上)帰りの階段で見た江島神社では、いろいろなメッセージが添えられた絵馬が所狭しとぶら下がっていた(右)江の島にはたくさんの猫がいる。思い思いの場所で昼寝や毛繕いしているので猫好きにはたまらない場所でもある
また、江の島は猫が多いことでも有名で、あちらこちらで猫がのんびりと昼寝をしている光景に出くわす。猫好きなら思わずシャッターを切ってしまいそうな光景だ。下りていく途中では、江の島のマリーナが見えるところなどもあり、撮影ポイントは豊富にある。展望台から撮るのとは違った撮影を楽しむことが可能だ。階段は、最終的にはエスカー乗り場があった江島神社の鳥居のところに戻ってくる。
途中の階段でマリーナを撮影する場合、単にマリーナだけを写す(左)よりも、まわりの木などを入れて写した(右)方がその場の情報が伝わりやすい
最終的にはエスカー乗り場のある江島神社の鳥居の場所に戻ってくることができる
【食べる!】江の島の食事事情
「釜揚げしらす丼」の張り紙や看板はあちらこちらで見かけるが、これと行った決め手になる物がないのも江の島の特徴
さて、江の島の食事事情だが、観光地なのでたくさんの食堂などが混在している。しかし、本連載で今まで紹介してきたのように「これ!」という決め手に何となく欠けているのも事実。釜揚げしらす丼の看板などはどのお店でも見られるし、何か決め手になる物が乏しい。
最近できた江の島アイランドスパにはおしゃれなカフェがあったり、期間限定で展開する料理フェアが行われていて、それを堪能するもの良いのだが「江の島」らしいかというと少々疑問を感じる。それよりはむしろ、江の島入り口付近に並ぶ、一夜干しやサザエなど、生鮮食品をお土産として買っていき、食事は別の場所へ移動して取るのがおすすめと筆者は思う。
その場で加工された一夜干しのパック。こういうお土産的な商品を買う方が江の島らしいのかもしれない
仕入れ立てのサザエを仕分けているところ。これらはあとでつぼ焼きとして売られる
今回で本連載は終えるが、江ノ電沿線には紹介してきた場所以外にも撮影ポイントがまだまだある。この連載を参考にして、そうした場所を探し出し、”最高の1枚”に挑戦してみてほしい。