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インドネシアのうどん事情
寿司や天ぷらなど、日本から世界に羽ばたいた日本食は多く、今日では箸を使える外国人も少なくない。そんな世界で愛されている日本食のひとつがうどんだ。
海外に88店(2015年3月現在)を展開している讃岐釜揚げうどん「丸亀製麺」に、「いま、勢いがある海外店舗はどこ? 」と尋ねたところ、「インドネシア」という答えをいただいた。そこで、インドネシアで愛されているうどんの実態に迫ってみたら、実はうどん以外にも日本の”あのグルメ”が人気だという。
「丸亀製麺」インドネシア1号店の様子
寿司屋のサイドメニューにうどん
インドネシアというと基本的に米食文化だが、中華系移民の影響で古くから麺類も普及しており、麺類では中華スタイルの汁麺や炒麺などが一般的。しかし近年、急速に日本の食文化が入ってきた影響で、ラーメンもインドネシアの人々に親しまれているという。そんな中で、うどんも寿司店などのサイドメニューに加えられることもあり、日本食として徐々に認知されつつあるそうだ。
そもそもインドネシアでは日本食は高級品で、日本円で換算すると1,000円以上することが一般的である。中産階級には手が届きにくいと言える。そんな中、約2年前に展開を始めた同社のインドネシア店では、平均客単価は600円程度と比較的手が届きやすい日本食を提供。そして3月現在では、16店舗を経営するまでに拡大した。
「手が届く日本食」として庶民にも親しまれている
濃厚鶏だしに肉団子がど~ん!
そんなインドネシアではイスラム教徒も多い国民性に配慮し、原料に豚やアルコールを使用しない商品を開発したそう。特に人気なのが、鶏でだしをとったこってりスープに鶏の肉団子を添えた「鶏白湯うどん」や、甘辛く炊いた肉がトッピングされた「牛肉うどん」などである。また、スパイシーな料理を好む現地の人に合わせて、より辛い”チャベ”と呼ばれる生唐辛子を無料でサービスしている。
インドネシア店のうどんメニュー
鶏だしのこってりスープに肉団子がのった「鶏白湯うどん」
「牛肉うどん」には、甘辛く炊いた肉をトッピング
天ぷらなどの丼も人気
前記の通り、米食文化のインドネシアのニーズに合わせて展開しているのが”丼”だ。供給状況に応じて、日本の米に比べると細長でサラッとしたカリフォルニア米やインドネシア産ジャポニカ米を用いている。丼はすき焼きやビーフカレー、天ぷらなどがあり、天ぷらの衣は現地の人の好みに合わせて、日本よりクリスピーに仕上げている。
インドネシア店の丼メニュー
「ビーフカレーライス」も丼に
(左から)「天丼(トリライス)と「天丼(シーフードライス)」はややクリスピー仕上げ
「現地の全ての方にうどん、天ぷら、そして日本食のおいしさを知っていただき、うどんがインドネシアの国民食になることを目標に日々努力しています」と同社マーケティング部の阿萬典子さんは言う。インドネシア色に染まったうどん、どんな味わいなのかぜひ現地で試していただければと思う。
※記事中の情報は2015年3月取材時のもの。メニューは変わる可能性があります