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知らないと損する本格的アメリカ旅行術 (41) ニューヨークの交通事情珍体験
前回のニューヨークアート巡り、いかがだったでしょうか? 今回は、マンハッタンの交通事情についてお届けします。アメリカは、なんといっても車社会。私たちが住んでいたロサンゼルスでは、車がないとどこにも行けませんでした。しかし、ニューヨークは、地下鉄網が発達しており、マンハッタンの中はどこでも地下鉄(メトロ)で行くことができます。東京と同じですね。実際にレンタカーを借りてマンハッタンを運転してみましたが、これはこれは結構大変でした。理由は後でご説明します。また、自由の女神の正面から見ることのできる”タダ”のスタテン島フェリーにも乗船してきました。それでは、実体験に基づくマンハッタンの交通事情についてお話します。
国が違えば地下鉄も違う?
私たちは8日間の滞在だったので、初日に1週間地下鉄とメトロバスに乗り放題のメトロカードを購入。メトロカードは、1日($7.50)、7日($25.00)、14日($47.00)、30日($81.00)。1回$2.00なので、1週間で13回以上乗るのならこれの方がお得というわけだ。
NY滞在中のある夜、私たちは滞在先のホテルに帰ろうと、年越しカウントダウン映像の中継で有名なタイムズスクエアから、駅に入った。タイムズスクエアの駅は広く、色々な路線が交差している。広い駅の中を目的の路線まで歩いていると、マイク片手に歌っている大柄な女性を発見。日本でも駅前でライブをしている人をよく見かけるが、ここは駅の構内。さらに50人以上もの人が、その歌手を取り囲み、一緒に歌っている。それに気分を良くしたのか、最初は座って歌っていた歌手が立ち上がり、ノリノリで歌い始めた。家路に着くニューヨーカーたちや、観光客がどんどん集まり、彼女の声も、観客の声もどんどん大きくなる。こんなんでいいの! と驚きながら、すごいパワーに圧倒された。
またある朝、朝8時台に電車に乗った私たち。日本だとラッシュの時間だ。日本の場合、比較的先頭や最後尾の車両が空いているので、その感覚で、ホームの一番端で電車を待った。しかし、ホームに入って来た電車は、私たちのはるか手前(30mぐらい)で停車した。えっ? どういうこと? と驚く私たち。東京の場合、ホームに乗車場所が示されている。でも、ニューヨークのホームにはそれがなかった。そしてホームは電車の長さよりはるかに長かった。きっと、「電車はホームに止まるのだから、正確な位置が決まっていなくてもいいじゃん」ということではないかと思う。とにかく電車は30m先に停車していて、これにはもう乗れないとあきらめた私たち。すると、運転手さんが、早く来いと手招きをしている。あっ、待っててくれるのね。私たちが何とか追いついて乗り込むと、運転手さんは出発した。
別の朝、また電車の中で面白いことに遭遇した。車両の中に、ギター片手にミュージシャンが2人やってきて、生ライブを始めたのだ。これもまた乗客もノリノリで一緒に歌いだした。1曲目が終わると、「リクエストは?」と乗客に質問。1人が、何かのタイトルを答え、またまた乗客で大合唱。私たちは面白くて写真をパチパチ。最後に1人が、帽子を持ってチップを集めに回る。私たちも写真を撮ったので1ドルを入れた。朝からエキサイティングな体験だった。
電車の中のライブ
駅構内でも、歌ってます
また地下鉄の安全性について実体験を踏まえて述べると、私たちが前回ニューヨークを訪れたのはテロの前の2000年。その当時の地下鉄移動は、やはり「汚い」「危ない」といった感じがあった。しかし今回の利用では、そんな印象は受けなかった。その話をニューヨークに住んでいる友人に語ったところ、テロ以降、たくさんの人に来てもらおうと、ニューヨーク市全体で安全な街づくりに取り組んでいるという事情を教えてくれた。夜遅くならないように心がければ、地下鉄の移動もそんなに問題はないようだ。
マンハッタンをドライブしてみる?
今回は仕事で郊外に行ったため、マンハッタンでドライブする機会を得た。マンハッタン内は、地下鉄と同じぐらい、タクシーが便利。すぐに捕まるし、基本料金$2.50程度と、値段も安い。しかし、このタクシー、かなり運転が荒いのだ。ということは、マンハッタンでの初心者が運転する場合、彼らタクシー運転手と”戦う”のはとても大変だ。急ブレーキ、急発進に、割り込みは当たり前。車線もあってないようなもの。道が分からなくて、ゆっくり走っていると、後ろからクラクションを鳴らされる。2日間、レンタカーを借りて運転したが、その中で2回ほど、ぶつかるところを目撃した。
ニューヨークのタクシー
おまけに、マンハッタンの道路は、基本的に一方通行のところが多く、1本曲がるところを間違ってしまったら、最低でも2ブロックは進まなくてはいけない。次に曲がるところを見落としてしまえば、行きたかった道に戻るのにすぐ迷ってしまう。ちなみに、日本のレンタカーのように、カーナビ(アメリカではGPSと言う)は、標準装備ではない(ただ都心部以外では、基本的にシンプルな道の多いでカーナビはそれほど必要ない)。
夜のマンハッタンドライブ。綺麗だけど、危険も伴う!?
とにかく、マンハッタンでの運転はかなりチャレンジだ。なので、「絶対にマンハッタンで運転したい!」というような目的がない限り、自分では運転せず、公共交通機関を利用した方がトラブルも少ないだろう。
ブルックリンブリッジ。有料の橋が多いのですが、ここは無料
無料のスタテン島フェリー、利用しない手はない
マンハッタンの最南端バッテリーパークと、海を挟んだ先にあるスタテン島を往復しているだけの無料フェリーがある。それは、その間にある自由の女神の正面を通るので観光に最適。このフェリーは元々、スタテン島に住んでいる人の通勤、通学のためのもの。だったら、朝と夕方だけでもいいのではと日本人は考えがちだが、日中も1時間に2本無料で運航している。自由の女神のあるリバティ島には立ち寄らないので、自由の女神に行きたいという人には物足りないかもしれないが、無料で正面から見ることができるので、「見ればいいや」という人や、1度リバティ島に行ったことがある人などにお勧めだ。
私たちが乗ったスタテン島フェリー
自由の女神正面。望遠で撮るとこんなに大きく写ります
私たちも、前回のニューヨーク訪問でリバティ島に訪れていたので、今回は無料のフェリーを選択した。自由の女神目的で乗っている人が多いため、フェリーの到着ゲートから外に出ないで、出発ゲートに直行する人がほとんどだった。私たちは、街を散策しようと港から出て歩いてみた。しかし港周辺は、おみやげ物屋さんもなければ、レストランもほとんどなく、20分ほど歩いて、やっと見つけたサブウェイでランチをして、港に戻っただけだった。それでも、マンハッタンとはまったく違う田舎の港町を堪能できたので、今度時間がある時にでも、ゆっくり行ってみようと思う。
いかがでしたか? 街を歩いているだけで、楽しいことに遭遇するニューヨーク。皆さんも、ニューヨークで文化の違いを味わってみてください。次回は、ニューヨーク郊外のドライブとアウトレットのお話をします。お楽しみに~。
(写真:フォトアーティスト飯富崇生)
芦刈いづみ&フォトアーティスト飯富崇生のミニコラム:”I Love NY”のお土産日本でも良く見かける”I Love NY”グッズ。Tシャツやマグカップ、バッグなど様々なものがあるが、あれは空港や道端の露店で売っている。どれが本物というわけではないが、空港で売っているものの方が値段も高いので品物もいい。さて、露店の方だが、ニューヨークと言わずアメリカの観光地を歩いていると、どこでもここでも露店がある。Tシャツ2枚で10ドル。サングラス2個で5ドルなどなど、とにかく安い。だからついつい買ってみたくなる。”I Love NY”のTシャツも露店で買えば、2枚で10ドル程度だ。しかし、値段が値段だけあって2回ぐらい洗濯するとヨレヨレになってしまうので、買う時はそのつもりで。安いもので良いのなら露店で、しっかりしたものが欲しければショップでと、目的に応じて買うところを選んでみてもいいかも?
アクセス情報最寄の空港:JFK国際空港、ラガーディア国際空港、ニューアーク&リバティー国際空港。後者2つの空港は主にアメリカ国内線が発着する。JFK国際空港から、ニューヨーク市内までの所要時間は40~60分。タクシーを利用する場合は、一律45ドル(高速道路料金3.50ドル、チップは別)。*マンハッタンからJFK国際空港のタクシー利用の場合はメーター制。