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「鳥取には負けたくない島根」など 1万人調査で判明した“ライバル県”
「週刊ダイヤモンド」2015年3月21日号の特集は「いざ 都市対決!」。その中から、互いにライバル視しあう県、逆に「合併するならここ」と考える県の話題をお送りします。
生まれ育った地元には愛着があり、愛着があればこそ負けられない地域がある。そこで本誌は県民1万人の意識調査から、永遠のライバルともいうべき県を明らかにした。
この冬、鳥取県はある勝負に出た。カニの水揚げ量が全国1位ということから、日本で一番カニが取れる県「蟹取県」と“改名”したのである。県庁職員が改名した名刺を配ってPRするほど大真面目に取り組み、実際に知名度を上げることに成功した。
鳥取県といえば、最近も「スタバはなくても、スナバ(砂場=鳥取砂丘)はある」という自虐的な知事発言が話題を呼び、「スターバックスが全国で唯一ない県」として全国にとどろいた。
これに危機感を抱いているのが同じ山陰地方の島根県民だ。「いつも何かしらビリ争いをしている」(33歳女性)のに、「最近は鳥取の方が目立つ」(67歳男性)。「鳥取の方が何かと先を行っている気がする」(63歳男性)というのである。
もっとも鳥取県は人口59万人と、東京都杉並区レベルの全国最小県。その下から2番目が島根県であり、場所も隣同士であるから互いを意識せざるを得ないのだ。
さらにいえば「県名をよく間違われる」(複数の両県民)ため、ライバル心がふつふつと湧き上がる。26歳女性の島根県民は「島根にはスタバが2カ所ある」と鳥取県に対抗意識を燃やしている。
今回、「週刊ダイヤモンド」では県民1万人の意識調査を実施した。「ここには負けたくない」と思うライバルの都道府県を一つ聞き、全体に占める割合「ライバル意識率」を出した。
そこで互いをライバルだと思っている県の意識率の平均を取ったところ、鳥取・島根両県民は86%が互いをライバル視していることが判明した(図1-1参照)。
次いで高いのは、富山県と石川県の61%だ。3月14日に北陸新幹線の長野~富山~金沢間が開通したことに伴い、「沿線県同士として何かと競い合っている」(石川県・65歳女性)という。
ただ富山県は、かつて加賀藩の支藩だった歴史的経緯もあり、県民には“藩主”石川県への劣等感があるようだ。「石川県民にいつも見下されている」(44歳男性)、「高飛車な態度が気に食わない」(55歳男性)という感情が湧き起こるのもそのためだろう。…