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【ニッポンの課長】セブン―イレブン・ジャパン「繁盛コンビニへキュッ」〈AERA〉
アエラにて好評連載中の「ニッポンの課長」。
現場を駆けずりまわって、マネジメントもやる。部下と上司の間に立って、仕事をやりとげる。それが「課長」だ。
あの企業の課長はどんな現場で、何に取り組んでいるのか。彼らの現場を取材をした。
今回はセブン―イレブン・ジャパンの「ニッポンの課長」を紹介する。
【ニッポンの課長フォトギャラリーはこちら】
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■セブン―イレブン・ジャパン 太田地区 ディストリクトマネジャー 藤田恵実(39)
幹線道路沿いにある「セブン―イレブン」2階の事務所で、藤田恵実は長い髪をキュッと後ろに束ねた。業務に挑む前の“儀式”だ。
システマティックに見えるコンビニだが、内幕は人間臭い。加盟店と本部の間に信頼関係がなければ、業績は上がらない。売り上げを伸ばすには、従業員の教育は……店が抱える悩みはさまざま。それをサポートするために、本部の営業部隊「OFC」(オペレーション・フィールド・カウンセラー=店舗経営相談員)が店を回る。藤田は群馬県の太田地区にある約80店を受け持つOFC11人のリーダーであり、“指導係”だ。
「店の経営を左右するOFCには責任があると同時にやりがいもある。現場で人とふれあい、人の役に立てるこの仕事が大好きです」
法政大学文学部英文学科を卒業し、1998年に入社。セブン―イレブンには、高校時代にアルバイトをした経験から親近感があった。会社案内に載っている女性役員を見て、
「がんばれば男女平等に評価してもらえる」
と思い、就職を決めた。ところが、現実は甘くない。2年半の店舗での勤務を経て、憧れのOFCに。しかし、20代の若手で、しかも女性の社員の話に耳を貸さない加盟店のオーナーが少なからずいた。駐車場に車を止めて泣いた。そんなとき、支えにした上司の言葉がある。
「誰よりも力をつけろ」
売れる商品は? 陳列方法は? 知恵を絞ってアドバイスし、次々と地区でトップクラスの繁盛店にしていった。
「性別も年齢も関係ない。要は結果を出せるかどうか。部下にも、そう教えています」
母となってからは、子どもとの時間を大切にしようとして、「スケジュール管理能力がついた」。でも、仕事に妥協はしない。
「セブン-イレブンで働きたいという5歳の娘に、背中をずっと見ていてほしいから」(文中敬称略)
※本稿登場課長の所属や年齢は掲載時のものです
(編集部・吉岡秀子)
※AERA 2014年12月1日号