サイクロン直撃、首都９割壊滅か＝非常事態を宣言－バヌアツ

　

　 サイクロンが直撃したバヌアツの首都ポートビラ郊外で、散乱するがれき＝１５日、国連児童基金（ユニセフ）提供（ＡＦＰ＝時事）

　 　【シドニー時事】超大型サイクロン「パム」が直撃した南太平洋の島国バヌアツ（人口約２５万人）で１５日、非常事態が宣言された。首都ポートビラでは「家屋の最大９０％が壊滅した」（国際援助団体オックスファム）との指摘もあり、被害の甚大さが明らかになってきた。
　

　

　 〔写真特集〕サイクロン「パム」、バヌアツを直撃

　

　　バヌアツには、海外ボランティアら約８０人の日本人が在住。在フィジー日本大使館によると、現時点では日本人が被害に遭ったとの報告は入っていない。
　

サイクロンが直撃したバヌアツの首都ポートビラ＝１５日、国際支援団体ケア提供（ＡＦＰ＝時事）

　 　パムは１３日夜、８３の島々で構成されるバヌアツを縦断。最大風速は８０メートルを超え、簡素な造りの家々が吹き飛ばされた。「村々が丸ごと消滅した」との目撃情報もある。バヌアツ赤十字社のアラトア社長は１５日、国連防災世界会議が開かれている仙台市で記者会見し、ポートビラで８人、それ以外の都市で４２～４４人ほどが死亡していると語った。
　　仙台市滞在中のバヌアツのロンズデール大統領は、訪日を活用して国連や国際機関への支援要請を続けているが、現地状況の把握のため帰国を急ぎたい考え。サイクロン襲来を予見できたのに日本に出発したことについて、大統領はロイター通信とのインタビューで「被害がどれほどひどくなるかは分からなかった」と釈明した。