佐村河内氏番組、放送倫理違反なし＝「安易な感動物語」と指摘も―ＢＰＯ

　

　

　　放送倫理・番組向上機構（ＢＰＯ）放送倫理検証委員会（川端和治委員長）は６日、別人への作曲依頼問題が発覚した佐村河内守氏を取り上げたテレビの７番組について、「放送倫理違反であるとまでは言えない」とする見解を公表した。

　　番組はＮＨＫと民放４局のドキュメンタリーなどで、２００８〜１３年に放送。耳の聞こえない作曲家とされていた佐村河内氏が昨年、全ろうでないことや代理人による作曲を認めたことを受け、検証していた。

　　見解は、各番組が「虚偽の事実を伝えた放送であったと言わざるを得ない」と指摘。裏付け取材も不十分だったとしたものの、放送倫理違反とするほどの落ち度はないと結論付けた。

　　ただ、「安易に感動的な物語を求めていないか」と問題提起。「メディアによって繰り返し伝えられていなければ広く知れわたることはなかった」として、佐村河内氏のうそが「広く流布したのは特にテレビに負うところが大きい」と指摘した。