和解金と謝罪を勧告＝いじめ自殺訴訟、市が公表―大津地裁

　

　

　　いじめを受けて自殺した大津市立中学２年の男子生徒＝当時（１３）＝の両親が市などに損害賠償を求めた訴訟で、大津地裁が市と両親に和解を勧告し、市が６日、内容を公表した。市が両親に謝罪した上で１３００万円の和解金を支払うなどの内容。市は和解金支払いを市議会に提案する方針で、この議案が承認され、両親側が勧告を受け入れれば、和解が成立する。

　　地裁の勧告は３日付。市の第三者調査委員会の報告書にある１９項目のいじめ行為を認定し、「適切な措置を講じていれば、自殺に至らなかった可能性がある」として、市の賠償責任を認めた。

　　和解金の額は、災害共済給付金として支払い済みの２８００万円を除く１３００万円とした。自殺を防げず、自殺後の対応も不適切だったことについて、市が両親に謝罪し、再発防止の取り組みを継続することも盛り込まれた。

　　越直美市長は「まだ道半ば。いじめ対策に終わりはない」と強調。「大津の事件、亡くなった生徒の無念さを忘れてはならない」と述べた。