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子供が起こした事故、親の賠償責任は?9日判決
子供が起こした事故の責任を親はどこまで負わなければならないのか。小6の男児が蹴ったサッカーボールがもとでオートバイのお年寄りが転倒し、死亡した事故の民事訴訟の判決が9日、最高裁で言い渡される。
1、2審は両親に1000万円以上を支払うよう命じたが、最高裁はこれを見直す見通しで、親の監督責任の在り方について、新しい判断を示す可能性がある。
事故が起きたのは2004年2月。愛媛県今治市の小学校の校庭で放課後、子供たちがサッカーをしていた。当時11歳の小6男児がゴールに向けて蹴ったボールが高さ1・3メートルの門扉を越えて道路に転がり、オートバイの80歳代男性がよけようとして転倒。足の骨折などで入院し、約1年4か月後に肺炎で死亡した。
遺族は07年、男児と両親に賠償を求めて提訴した。1審・大阪地裁、2審・大阪高裁はいずれも男児に過失があったと判断。事故と男性の死亡との因果関係も認め、男児の両親に賠償を命じた。賠償額は2審判決で約1180万円に上る。
民法714条は、責任能力を欠く子供や認知症のお年寄りらが事故などを起こした場合、「監督義務者」が賠償責任を負うと定めている。監督義務を怠らなかった場合は責任を免れるが、1審判決は免責を認めず、2審判決も「校庭ならどう遊んでも良いわけではなく、この点を男児に理解させていなかった両親は監督義務を尽くしていない」と判断した。
同種の訴訟で、裁判所はほぼ例外なく監督責任を認定してきた。小4男児が投じたキャッチボールの球がそれて別の小学生の胸に当たり、死亡した事故では、仙台地裁が05年、両親に約6000万円の賠償を命令(高裁で和解)。認知症の男性が列車にはねられて死亡し、JR東海が運行の遅延に伴う賠償を遺族に求めた訴訟でも、名古屋高裁が昨年4月、同居の妻に約360万円の賠償を命じた(上告中)。
今回の訴訟で、最高裁は3月19日に弁論を開いており、2審判決は見直される見通しだ。両親の責任が否定されれば、社会的な影響も大きいとみられる。