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<オウム高橋被告>「事件計画立案に不関与」求刑は無期懲役

 <オウム高橋被告>「事件計画立案に不関与」求刑は無期懲役

 ◇検察側「従属的な面は否めず、死刑はためらい覚える」
 
  1995年3月の地下鉄サリン事件など5事件で殺人罪などに問われたオウム真理教元信者、高橋克也被告(56)に対し、検察側は31日、東京地裁(中里智美裁判長)の裁判員裁判で無期懲役を求刑した。「無差別テロで運転手という重要な役割を担ったが、事件の計画立案には関わっていない。従属的な面は否めず、死刑はためらいを覚える」と理由を述べた。弁護側が4月1日に最終弁論して結審する。
 
  検察側は論告で、被告の動機を「教団元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚の意思を実現し、自身の地位を高めようとした」と指摘。多数の死傷者が出た結果の重大性や、今も松本死刑囚を「グル」(指導者)と呼び、被害者に謝罪がないことも踏まえ「責任は極めて重大で死刑も考えられる」とした。
 
  一方、教団内での被告の地位は他の共犯者より低く、地下鉄サリン事件の運転手役の多くは無期懲役が確定していると指摘。「サリン散布の実行役と一線を画し、刑務所で一生涯、罪と向き合わせることは意味がないことではない」と述べた。
 
  被告は全5事件で起訴内容を否認し、地下鉄サリン事件では殺意や共謀を否認したが、検察側は事件前夜のアジトでの話し合いで、警察の強制捜査を妨害する目的や担当路線などが共有されたと指摘。「アジトではサリンという言葉が少なくとも4回使われた。被告には殺意も共謀も認められる」とした。
 
  公判では、被害者参加している遺族の高橋シズヱさん(68)らの代理人弁護士も意見陳述し、「被告は信仰に逃げ込んだまま、謝罪の言葉を発しようとすらしない。遺族らの怒りを一層増幅させるもので、厳正な処罰を求める」と述べた。
 
  閉廷後に記者会見した高橋さんは「裁判前は17年間逃走していたこともあり極刑を望んでいたが、始まってみると被告の存在感がないことが分かった。殺人に積極的だった幹部と同じラインには並ばない」と述べ、無期懲役の求刑に理解を示した。【島田信幸】

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