＜奈良・春日大社＞「木作始式」で２０年ごとに大規模改修

　

　奈良市の春日大社本殿（国宝）を２０年ごとに大規模改修する「式年造替（しきねんぞうたい）」の起工式にあたる「木作始式（こづくりはじめしき）」が１日、同神社で営まれた。
　
　　式年造替では檜皮（ひわだ）屋根のふき替えや調度の新調などをし、今回６０回目を迎える。木作始式は宮大工らの集団「春日番匠（ばんじょう）座」に鎌倉時代から伝わる儀式。
　
　　宮大工らはまず若草山ふもとの石荒（いしこう）神社に参拝。その後、棟木（むなぎ）に見立てた新しい吉野ヒノキの材木「料木（さめぎ）」４本を並べた境内の幣殿（へいでん）で、儀式用の大工道具を使い、釿（ちょうな）を振り下ろす仕草などをした。
　
　　着工のため本殿から仮殿（かりでん）にご神体を移す「仮殿遷座祭」は２７日、工事後にご神体を本殿に戻す「本殿遷座祭」は２０１６年１１月６日。両祭の前後に舞楽の奉納などさまざまな儀式や行事を予定している。本殿は今年４月１日〜５月３１日に特別公開される。【松本博子】