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<液体被害>新たな被害確認 6府県23カ所に
世界遺産から各地の寺社まで 文化財保護法違反容疑で捜査
寺社などで油のような液体がまかれる被害が相次いでいる事件で、奈良県や京都府、静岡県、千葉県でも10日、新たに被害が確認された。被害を受けたのは6府県23カ所になった。各県警は、それぞれの被害に関し、文化財保護法違反などの疑いで捜査している。
奈良県警によると、新たに液体の跡が確認されたのは、世界遺産・東大寺(奈良市)の大仏殿や南大門(いずれも国宝)▽談山神社(桜井市)▽信貴山朝護孫子寺(しぎさんちょうごそんしじ)(平群町)▽松尾寺(大和郡山市)。東大寺では、大仏殿の大仏が安置された須弥壇(しゅみだん)や、南大門の木造金剛力士像2体(国宝)の下部など4建造物で見つかった。
東大寺によると、9日夜に警備担当の職員が巡回した際は異常がなく、10日午前7時ごろの巡回で南大門の染みに気付いた。
一方、京都市では10日午前、左京区一乗寺松原町の狸谷山(たぬきだにさん)不動院から「油のようなものがまかれている」と、京都府警下鴨署に通報があった。厄よけや交通安全祈願の寺で知られる修験道の寺で、江戸時代の剣豪、宮本武蔵が心の剣を磨いたとされる「武蔵之滝」がある。
静岡県でも同日午前、三島市大宮町の三嶋大社から「建物の柱に油のような液体をまかれた」と県警三島署に通報があった。拝殿の柱に透明の溶剤がかけられているのを署員が確認し、建造物損壊事件として調べている。
また、千葉県成田市の成田山新勝寺でも国の重要文化財4棟を含む計16棟の入り口の柱や扉に同様の被害が出ていることが新勝寺への取材で判明した。
国内初の文化財学科を1979年に創設した奈良大学(奈良市)の千田嘉博学長(同学科教授)は「祈りの空間の中で、寺社の関係者はどこまで近くで本物の素晴らしさを実感してもらえるか努力を積み重ねている。その思いを踏みにじる行為だ。人々を文化財から物理的に遠ざけることにつながる、大変な罪だと自覚してもらいたい」と憤る。海外の教会などでは手荷物を預かるなど厳重な警備を敷く所もあるといい、千田学長は「見る側に協力をお願いすることを考える時期に来ているのかもしれない」と話した。【小坂剛志、芝村侑美、宮川佐知子、荒木涼子、松本博子】