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<高浜原発>支援者ら「最高の決定」 再稼働差し止め仮処分
◇福井地裁前 500人 歓声と拍手
想定外の地震による原発事故を「現実的で切迫した危険」と断じ、関西電力高浜原発3、4号機の運転禁止を命じる仮処分を出した14日の福井地裁決定。「合格」とした原子力規制委員会の審査とは正反対の結果に、申し立てた住民らは「最高の決定だ」「歴史的な一歩」などと高く評価したが、国の原子力政策に従ってきた地元自治体などからは疑問や戸惑いの声も聞かれた。
「考えられる最高の決定だ」。関電高浜原発3、4号機の再稼働を差し止める仮処分決定が出た14日、福井地裁前には申し立てをした住民や支援者約500人が集まり、小雨の中で歓喜に沸いた。午後2時過ぎ、今大地(こんだいじ)晴美代表らが「司法はやっぱり生きていた」「司法が再稼働を止める」と書いた垂れ幕を掲げると、「よくやった!」と歓声や拍手が起こった。
決定は、東京電力福島第1原発事故後に作られた原発の新規制基準を「(基準に)適合しても原発の安全性は確保されない」と否定した。同様の仮処分申し立てや訴訟に波及する可能性があり、住民側は「日本中の原発を廃炉に追い込みたい」と意気込んだ。弁護団の海渡(かいど)雄一共同代表は「日本の脱原発を前進させる歴史的な一歩。住民の人格権、ひいては子どもの未来を守るという、司法の本懐を果たした輝かしい日」と笑顔で声明を読み上げた。
その後、福井市内で開かれた記者会見では、内山成樹弁護士が原発の耐震設計の基本となる基準地震動の策定方法に疑問を呈した決定に触れ、「基準地震動が1桁上がるかもしれない。費用がかかって現実的には対策は無理だ」と指摘した。河合弘之・弁護団共同代表は「新規制基準を作り直すことから出直せ、と言うのが裁判所のメッセージだ」と強調した。
また、内山弁護士は、原子力規制委員会の田中俊一委員長が「規制委がすることは規制。結果として安全が担保できればいい」などと発言したことを取り上げ、「安全基準と関係ない規制基準なんて、ばかを言ってはいけない」と批判した。
原発3基が立地する福井県敦賀市の市議でもある今大地代表は「原発が集中立地する若狭地方の人たちは、思いを表に出せずに過ごしてきた」と慎重に言葉を選んで振り返り、「『原発は怖い』と声に出してもよいと今回の決定は伝えてくれた。多くの人が原発のことを声に出せるような若狭にしていきたい」と期待を寄せた。【近藤諭、村山豪】
◇福島原発事故で避難生活者「当然の決定だ」
東京電力福島第1原発事故で避難生活を送る人たちの多くは「当然の決定だ」と歓迎した。…