ＵＳＪの貸地料値上げ認定＝経営状態改善を考慮―大阪地裁

　

　

　　テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」（ＵＳＪ）に貸している市有地について、大阪市が賃料値上げを求めた訴訟の判決が６日、大阪地裁であった。長谷部幸弥裁判長は市の請求を一部認定し、１平方メートル当たりの平均賃料を現在の月額３８８円から月額４４２円へ値上げすることを認めた。

　　判決によると、市はＵＳＪの敷地の約４０％に当たる約２０ヘクタールの市有地を事業用地として貸している。他の民間企業がＵＳＪに貸している土地の平均月額は５１６円で、市が差額分の値上げを求めた。

　　長谷部裁判長は、市が主要株主としての立場から赤字だったＵＳＪの経営改善を見込んで賃料を減額していた点を指摘。その後、ＵＳＪが黒字に回復した点や、市が株を全て売却した点などから「民間地権者の賃料との間で顕著に低くする事情は基本的に消滅した」と結論付けた。ＵＳＪが地域経済に貢献した点などを考慮して、市の要求額への値上げは認めなかった。