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NASA、太陽探査機「ソーラー・プローブ・プラス」の打ち上げ機にデルタIVヘビー・ロケットを選定
米航空宇宙局(NASA)は3月18日、太陽探査機「ソーラー・プローブ・プラス」を打ち上げるロケットとして、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス社のデルタIVヘビー・ロケットを選定したと発表した。打ち上げは2018年の予定で、ソーラー・プローブ・プラスが太陽へ最接近した際の速度は秒速200kmにも達する、人類史上最速の機械となる。
NASAによると、契約額は3億8910万ドル(約470億円)とのことだ。
ソーラー・プローブ・プラスは、NASAとジョンズ・ホプキンス大学応用物理研究所(JHU/APL)が開発を進めている太陽探査機で、太陽の観測を行うことを目的としている。太陽の熱に耐えるため、また太陽コロナの中を突っ切ることになることから、そのガスとの衝突にも耐えるため、機体の前面には炭素繊維強化炭素複合材料を用いた太陽シールドが装備されている。
投入される軌道は、太陽の光球に最も近い点が約600万km、遠い点が約1億kmの楕円軌道で、最大速度は秒速200kmにも達する、人類史上最速の機械となる。ミッション期間は7年が予定されており、その間に太陽の周りを24周する。
デルタIVヘビーは、現在世界で運用されているロケットの中で最も強大な打ち上げ能力を持つロケットで、地球低軌道に約20t、静止トランスファー軌道へは約13tの衛星を運ぶことができる。その外見も、デルタIVロケットの第1段を、その両脇にさらに1基ずつ装備させ、計3基の第1段が並んで飛んでいくという、見た目からして豪快なものである。
デルタIVヘビーは、主に国家偵察局(NRO)が運用する、大型で重い偵察衛星などの打ち上げに使われているが、ソーラー・プローブ・プラスはわずか610kgほどしかない。にもかかわらずデルタIVヘビーが使われるのは、太陽に向かうためには莫大なエネルギーが必要なためだ。また、ロケットの第3段にはスター48という固体ロケットが装備され、太陽までの旅を支援し、さらにソーラー・プローブ・プラス自身も7回もの金星フライバイを行い、ようやく太陽へ到達することが可能になる。
打ち上げは2018年7月31日に予定されており、打ち上げ可能期間20日が確保されている。最初に太陽に最接近するのは2024年12月19日の予定となっている。
写真=NASA。
■NASA Awards Launch Services Contract for Solar Probe Plus Mission | NASA
http://www.nasa.gov/press/2015/march/nasa-awards-launch-services-contract-for-solar-probe-plus-mission/