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「シニアメーク化粧品」 女を諦めない…に応える
たとえが悪くて恐縮だが、60代後半にして色仕掛けの「後妻業」が話題になる時代。「女であることを諦めない」熟年女性の増加を反映してシニアメーク化粧品が活況だ。新ブランド、新商品が続々発売。大文字の説明書き、ひと塗りで濃淡が描けるアイシャドー、握力が弱っても扱いやすい形状…。加齢に配慮した「楽してきれいに」との工夫は、誰もが使いやすいユニバーサルデザインの側面も持つ。国立社会保障・人口問題研究所の試算によると、50歳以上は4年後には女性の過半数(50.2%)を占めるマジョリティー。企業のシニア市場への注力を象徴している。(重松明子、写真も)
「法令線とか(中略)、やっぱりいらない」
今年70歳になる女優の宮本信子さんが、頬のたるみの影を消すパウダーをスッと引く…。
1月に発売された、資生堂のシニア化粧品「プリオール」のCMだ。全33品目の中でも映像で使われた「美リフトチーク」(3024円)は計画比1・7倍という好調な売れ行きである。
「粉体による光のマジックを分かりやすく伝えられた。ギミック(ごまかし)かもしれないが、加齢によるシワやたるみはどんなに頑張ってもゼロにはならない。メークの力は年を取るほど大きくなってくるんです」と、ブランドマネジャーの石川由紀子さん(54)。
立ち上げにあたり、6672人の50~70代女性の行動や価値観・美意識を徹底調査。「いくつになっても女であることを諦めない」との共通意識を発掘した。「70代で夫に内緒で眉毛をアートメーク(入れ墨)したという方もいて、従来のシニア像が覆された。美容に対するけなげさと大胆さをお持ちです」と石川さん。「バブルを謳歌(おうか)した50代、団塊の60代、清く正しく夫を支えた70代…とタイプは異なるが、男女雇用機会均等法(昭和61年施行)もない時代に女であるからこその辛酸もなめ、また良い思いもしてきた。私も新入社員時代にお茶くみをしていたから分かりますが、ジェンダーフリー文化で育った若者よりも性別の自覚はよほど強い。そこにシニア化粧品の大きな需要が潜んでいる」
一方、お笑いタレントの久本雅美さん(56)をCMに起用して、花王が今月発売した「オーブ クチュール」の50代向けアイシャドー「ブライトアップアイズ」(4104円)も好調で、ブランドのアイシャドーのシェアを約3倍に押し上げた。まぶたのたるみやくすみに対応。弱い力でも持ちやすいブラシで、ひと塗りでまぶたにグラデーションを描ける画期的な設計だ。「時短メークの点でも受けた」と広報部。久本さんは、4年前に発売された同社の50代向けファンデーションのCMにも出演しており、毎年売り上げ2桁増の成長を支えている。
ニューヨーク在住のメークアップアーティスト、吉川康雄さん(56)は「加齢でブスの要素が増えても、否定して隠す必要はない。変化を受け止めたうえでメークで輝かせる、自然体の美しさもある」と話す。
先月発行の著書「生まれつき美人に見せる」(ダイヤモンド社)でも、「世界のトップモデルは、顔にブスの要素を必ず持っていて、それと美しく磨き上げた部分を合わせることで圧倒的な魅力を作り出している」とも指摘。自らがクリエイティブディレクターを務めるメークブランド「キッカ」では、「いくつになってもメークを楽しんでほしい」との思いから、白髪やそばかすのモデルをポスターに起用したこともある。
改めて思えば、手先を使ってボケ防止、生活にメリハリをつける意味でも、おばあちゃんになってこそメークは必要!?