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【大井川鐵道と街おこし③】鉄道とのタイアップによる静岡県島田市の地域活性化の試み
「生活の足」から「観光資源」へ。変わりゆく大井川鐵道の役割
大井川鐵道は、静岡県中部の島田市と川根本町を南北に縦断する名鉄グループの私鉄である。このローカル線は、地域の暮らしとどのように関わってきたのか。島田市産業観光部観光課の森川利久さんはこう語る。
「大井川鐵道は、大井川流域で暮らす人々の生活の足として利用されてきました。しかし近年は、車を利用する人が増えたこともあって、公共交通機関としての存在感は薄れてきています。そんな中、今回の『トーマス号』のような試みは、島田市にとっても重要な観光資源となりうる。そこで、島田市も大井川鐵道と協力しながらPR活動を行い、観光客を呼び込むための取り組みを行っています」
島田市は、静岡県中部に位置する人口10万の都市。古くは東海道の宿場町として栄え、現在は自動車部品や紙、緑茶などの生産地として知られる。
「島田市の観光資源としては、“世界一長い木造歩道橋”としてギネス認定された、大井川の蓬莱橋が有名です。それから、宿場町の名残を遺す大井川川越遺跡、旧東海道の石畳、お茶の博物館なども人気ですし、昨年7月に川根温泉ホテルをオープンするなど、温泉による誘客にも力を入れています。また、川根温泉ふれあいの泉は、知る人ぞ知るSL見物の名所。露天風呂付きのコテージもあるので、いつもリピーターで賑わっています」
『トーマス号』の成功で、観光客誘引のチャンス到来
とはいうものの、島田市の観光資源はどちらかといえば“通好み”。他の有名観光地に比べると、やや地味な印象であることは否めない。それだけに、“SLの聖地”として全国区の名声を誇る大井川鐵道が、観光資源という点から見ても貴重な存在であったことは想像にかたくない。
それゆえ、震災後、大井川鐵道が経営危機に陥ったことは、地元自治体にとっても由々しき問題だった。その意味では、『トーマス号』の成功によって、大井川鐵道が自力再建への道筋をつけたことは、地元自治体にとっても朗報だったといえる。
「最初は『トーマス号』については半信半疑だったのですが、フタを開けてみれば満席で、乗客の何倍もの見物客が集まりました。たとえトーマスに乗れなくても、“リアルトーマス”が走る姿をひと目見ようと駆けつけたお客さんが大変多かったのです。新東名の開通で、駅の近くに島田金谷インターができたので、遠方から車で来られる方もかなり多かったですね」
『トーマス号』が絶大な集客力を発揮したことは、島田市にとっても千載一遇のチャンスだった。…