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ゆとり世代が哲学する「安定ってなんだろう」
「安定志向」というのはゆとり世代の代表的な特徴です。
厚生労働省の調査では、自分を安定志向と考える若者は全体の3割にも上ります。
そんな若者の特徴が顕著に反映されているのが、就職活動です。
ベンチャー企業や中小企業よりも「安定」していると言われる大企業への就職を希望する若者が増えています。
しかし、それは本当に安定していると言えるのでしょうか?今回のテーマは「安定」。
ゆとり世代にとって、安定とはどんな存在なのか考えていきます。
■ゆとり世代が大企業を希望する理由就職活動には、その人の人生観が大きく表れています。
業界や職種一つとっても、その人がどんな仕事にどんな風に携わりたいかを表していることが多いので、どんな企業に人が集まるのかというのはその世代の価値観を反映しているはずです。
都内の大学に通うHさんは、就職活動を振り返って若者の就活観を語ってくれました。
「もちろん、中小も大企業も幅広く受けました。
けれど、やっぱり第一希望群は大企業でしたね。
実際、ベンチャー企業はほとんど受けませんでした。
大きくて長く続いている企業の方が実績もあるし、教育とか制度も整っているからいいなと思っていました」たしかに、長く続いている企業の方が新人教育や社内制度に関しては整っていることが多いです。
一方で、大きな会社になればなるほど、自由度が減ってしまうという側面もあります。
実際、ベンチャー企業を希望する学生の多くは、個人の力を大きく求められる現場で自分の能力を成長させたいという思いがあるようです。
「自由度は減るっていうのは魅力的ですけど、初めのうちはしっかり研修とかしてもらって経験を積みたいですね。
あと、自分が働いている会社がいきなり倒産したりしたら怖いじゃないですか。
そういう意味でも、やっぱり大きい会社の方がいいなって思いました」■本当の安定とは?ゆとり世代が求める安定は、強く身を守ろうとする意識と結びついているのかもしれません。
新人教育や社内制度が充実していれば、その分、失敗するリスクは減ります。
また、会社のビジネススタイルが固まっていれば、すぐに倒産する恐れもないように思えます。
こうした保険を多くかけて身を守ろうとする意識は、怒られることを過剰に恐れる若者像とも関係しているのかもしれません。
しかし、それは本当に安定なのでしょうか?ヘレン・ケラーは「安全とは思い込みにすぎない場合が多いのです。
現実には安全というものは存在せず、子どもたちも誰一人として安全とは言えません。…