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アングル:円売りからドル買いにエンジン転換、他通貨に「力」分散
[東京 9日 ロイター] – ドル/円JPY=EBSのエンジンが円売りからドル買いに転換しつつある。2月米雇用統計が上振れ、早期の米利上げを織り込まざるを得なくなってきたためだ。
一方、日銀の追加緩和期待など円売り材料は後退。ドル買いに対する売りの「力」は他通貨に分散し、ドル/円の上昇ペースは緩やかになりそうだとの見方も出ている。
2月米雇用統計は、非農業部門雇用者数が29万5000人増と、市場予想の24万人増を上回った。失業率も2008年5月以来の水準となる5.5%に低下し、ポジティブサプライズを誘発。119円後半で推移していたドル/円は一時、121.29円まで上昇した。
雇用統計を受け、3月17─18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、ゼロ金利解除の目安ともなっている声明文の中の「忍耐強く」の文言を外し、利上げ時期決定に自由度を確保することが、ほぼ確実になったとみられている。
今週のドル/円は120円台の値固めが想定され、週後半の米小売売上高などが6月米利上げを正当化する内容となれば「昨年12月高値121.86円を目指す流れも視野に入る」(みずほ証券・投資情報部のFXストラテジスト、由井謙二氏)との見方も出ている。
<リスクオフ・株安・円高を警戒の声も>
ただ、ドル/円が「130円の方向に上昇スピードを加速させる可能性は低い」(UBS証券・ウェルス・マネジメント部の最高投資責任者、中窪文男氏)との見方も少なくない。
その要因の1つが、政府・日銀の姿勢だ。これまで日銀による追加緩和期待が円売り材料となってきたが、足元の市場ではそれほど高まっていない。 続く…
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