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コラム:日本株の米国株離れ「デカップリング」は可能か=岩下真理氏
岩下真理 SMBCフレンド証券 チーフマーケットエコノミスト
[東京 10日] – 米国の株式相場格言に「Sell in May(株は5月に売れ)」がある。5月が他の月と比べ相場が軟調になることが多い状況を示したものであり、ヘッジファンドの決算が集中するためとも言われる。
2010年以降の米株動向を振り返ると、このアノマリー(経験則)は概して正解だった。直近で当たった理由は、予想外のイベントが5月にあったからだ。2010年はギリシャ危機、2012年はギリシャ総選挙、2013年はバーナンキショックである。
一方、足元の不安材料は、1)原油動向、2)ギリシャ債務問題・中東情勢などの国際情勢、3)米国経済の変調、の3つだ。これら下振れリスクの行方次第では、「Sell in May」が奏功する可能性もあれば、日米欧で株高・債券高が併存するゴルディロックス(居心地の良い)相場が長期化する可能性もあるだろう。
目先の注目は、来週以降に本格化する米企業決算だ。トムソン・ロイターの調査によると、米S&P総合500種指数採用企業の2015年第1四半期利益は前年同期比2.8%減少すると予想されている。米株市場はすでに、世界経済の減速や原油安、ドル高の悪影響を受けた減益を織り込む形で、高原状態になっている。S&P500は2月25日、NYダウは3月2日にピークを付けた後、適度な調整をこなしたように見えても、予想株価収益率(PER)水準では割高警戒感は残る。
ただし、仮に米株に「Sell in May」の短期的調整が前倒しで入っても、割安感のある日本株(8日時点:S&P17.6倍、TOPIX15.4倍)には、むしろ投資妙味が強まることになる。「日米株のデカップリング(非連動)」は可能だろう。
さらに日本株の強みは、新たな買い手の好需給が期待できることだ。4月1日にゆうちょ銀行が中期計画(2017年度までにリスク資産投資を14兆円積み増し)、2日には年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が今年度からアクティブ運用の比率を高める方針を発表した。
当面の日米株は、デカップリングを試す時間帯となろう。10日午前の東京株式市場で、日経平均株価は取引時間中としては約15年ぶりに2万円台を一時回復したが、これは通過点に過ぎないのではないか。 続く…
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