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ヘリ空母「いずも」 根拠が乏しいF35搭載論
3月25日に就役した海上自衛隊の護衛艦「いずも」について、「空母」ではないか、戦闘機F35の運用も可能ではないか、といった議論が起きています。しかし「いずも」と日本の状況を考えると、そうした議論はあまり意味が無いかもしれません。
国際的に定義されていない「空母」
2015年3月25日、新鋭護衛艦「いずも」が海上自衛隊に就役しました。「いずも」は全通飛行甲板を備えた航空機運用能力を有す護衛艦としては、「ひゅうが型」の2隻(「ひゅうが」「いせ」)に続く3隻目となります。
「いずも」は基準排水量19500トン、全長248mと海上自衛隊で最大の艦艇であり、「ひゅうが型」の13950トン、全長197mに比較してもひと回り大きく、その全長は帝国海軍の正規空母「翔鶴型」に匹敵します。また名称未定の「いずも型」2番艦も現在、建造中です。
「いずも」はその容姿から国内外で「『護衛艦』ではなく『航空母艦(空母)』ではないか」といわれることが多いようですが、実際に「空母」なのでしょうか。
海上自衛隊では戦闘艦は全て「護衛艦」と呼称しており、「いずも」は公式には「ヘリコプター搭載護衛艦(DDH)」に分類されています。つまり「空母」とは呼ばれていません。
しかしその主任務はSH-60J/K「シーホーク」哨戒ヘリコプターを複数機運用し、潜水艦による攻撃から艦隊を防護することにあります。また島嶼防衛や災害派遣においては、輸送・多用途ヘリコプターの洋上拠点としての活躍が期待されています。そのため「いずも」は事実上、「ヘリコプター空母」であるといえます。
このように空母型の戦闘艦を「空母」と呼称しない例は、海上自衛隊に限ったことではありません。「空母」という言葉は国際的に定義づけられていませんから、なんと呼ぶかはその国の自由です。
ロシア海軍の「アドミラル・クズネツォフ」は、公式には「航空巡洋艦」とされ重武装が特徴的ですが、Su-33戦闘機の運用も行っている事実上の「空母」です。また佐世保を母港とするアメリカ海軍の「ボノム・リシャール」は、「強襲揚陸艦」と呼ばれ上陸作戦に特化した機構を有しますが、垂直離着陸戦闘機の「ハリアーII」やF-35Bを運用可能です。
しかし「アドミラル・クズネツォフ」も「ボノム・リシャール」も、そして「いずも」も、公式には「空母」ではありません。ただメディアや国民がそれを「空母」と呼んでも、それは本質的に間違いではなく、全く問題ありません。…