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刑務所で残飯使い回し。フードサービス最大手「Aramark」社が窮地に。(米)
各地の刑務所が常に満員という米国では、納税者らが「受刑者の待遇の質を落とせ」と不満を漏らすことは多い。だがミシガン州の刑務所でそれを実行に移したのは、なんと食堂業務を委託されていた米国最大手のフードサービス会社「Aramark」であった。
受刑者らを激怒させる事実が発覚したのは、ミシガン州のサギノー郡刑務所。州矯正局のスポークスマンが地元メディア「Saginaw News」に語ったところによれば、施設で提供される食事について昨年10月、残りものをゴミ箱に廃棄せず、軽く洗ってから別の受刑者に提供していた従業員が解雇されたという。また、残飯を細かく刻んでミートボールなどの肉料理に形を変えて提供されていたことも発覚し、経費を浮かせるためにそうしたことが日常的に行われていた可能性すら高まっている。
そんなずさんな調理を行っていたのは、オリンピックをはじめとする世界のトップ・スポーツイベントにおいて選手向け施設やレストランで食事を提供し、世界展開に成功している米国最大手のフードサービス会社「Aramark(本拠地:フィラデルフィア)」から派遣された30数名の従業員。全員が解雇となったが、矯正局は「健康を害する可能性もある許されない行為」だとして同社への怒りをあらわにしている。
ミシガン州は州内すべての矯正施設の食堂に関し、2013年からの3年間で報酬は173億円という大きな契約を「Aramark」社と結んでいた。だが少し前にはセントラル・ミシガン刑務所でネズミらしき小動物がかじったケーキが提供され、衛生管理が行き届いていない様子からついに「Aramark」社との契約は中途解除となり、2400万円ほどの違約金を支払うよう言い渡していたという。
米国では以前からさまざまな事業所、施設において食堂業務の外部委託が進んでいたが、ミシガン州の矯正施設でもアウトソーシング化が一気に進み、それまで正規に雇われていた370名が解雇されていた。さらに「Aramark」社には高額の報酬が入るものの、そこから各調理場に派遣される従業員たちは薄給で重労働にあたっているのが現状だ。このたびの事件をきっかけに、州議会でも「アウトソーシング依存の体制を一旦見直すべきだ」との声があがっているもようだ。
※ 画像はmlive.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)